第14話 盗賊と会ったみたいです
俺が寝てから暫く経ってから突然気配察知に反応があった
「なんだ!?」
俺が気配察知の反応があった方向を見て、戦闘態勢に入るのとほぼ同時に茂みが音を立てて揺れ始めた。
(盗賊か?それともモンスターか?)
そんなことを考えていると茂みから盗賊らし
き男が4人ほど出てきた
「なんだ、ただの盗賊じゃないか」
俺が安心したように言うと
「あのガキィ、
「「おー!」」
「…
俺は思わずツッコミを入れてしまった
「あ、あいつ…親分が頑張って考えた名前をバカにしやがった」
それを聞いた
(ん??そういえば、2日前に盗賊団の幹部と下っ端を倒してスキルを奪った気がしなくもないんだよな…)
「まぁいっか、あいつらの中に強いスキルを持ってる奴がいるかもしれないから先ずは鑑
定しておこう」
と、さっき一瞬考えたことは気にしないことにした
『鑑定』
------------
ザーコ 人間
LV20
HP 1030/1030
MP 700/700
スキル
統率 LV2
二刀流
称号
厨二病検定2級保持者
加護
なし
------------
ゲーイ 人間
LV21
HP 1250/1250
MP 930/930
スキル
透視 LV4
じゃんけん LV20(MAX)
モンスターテイム LV2
称号
脱ノンケ
加護
なし
------------
マヌエーロ・ライモレノリナル・イジアマディオ・コルネリオス・マジリオ
人間
LV19
HP 2/2
MP 3/3
スキル
ステータス倍増(笑) LV1(MAX)
混沌の世界の
じゃんけん LV20(MAX)
無能 LV1(MAX)
透視 LV4
称号
ネタ要素多め人間
加護
無能の加護
------------
アベレージ 人間
LV20
HP 1000/1000
MP 1000/1000
スキル
全パラメーター平均 LV20(MAX)
称号
平均を極めし者
加護
平均神の加護
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「なんだ一番目の奴は!名前がザーコって名前からして雑魚じゃねえか!!そして二番目!ほぼゲイ関係のスキルだろっ!だいたい脱ノンケってなに!?…だがそこは気にしてはいけない気がするからスルーするとして、三番目!名前が長い!!そしてスキルがネタでしかねぇ!最後のは、まぁ平均中の平均って感じだな」
「クソォ、ガキの分際で俺たちをバカにしやがって!」
どうやらマヌエーロ・ライモレノリナル・イジアマディオ・コルネリオス・マジリオは相当気が短いようだ。だが、俺は敢えて無視した
「とりあえず見たことないスキルを詳しく鑑定しておこう」
『鑑定』
統率 自分が率いている仲間の動きがよくなる
モンスターテイム 一定の確率でモンスターをペット化させることができる(確率は スキルのレベル×5%)
ステータス倍増(笑) 宝くじに当たるくらいの確率でステータスが4分間倍増される
混沌の世界の稲妻エターナルストリーム 世界を破壊できる程の稲妻を放てる者の気分になれる
全パラメーター平均
全ての能力値が平均に固定される
「新しく発見した中で使えるスキルは二つだけかよ!一番名前がかっこいいスキルが『世界を破壊できる程の稲妻を放てる者の気分になれる・・・・・・』だけとか本気でへこむぞ!?」
今日の俺もツッコミの方は調子は絶好調だ。
「あいつは絶対に殺してやる!」
そう半ギレで突撃してきたのは、称号が『ネタ要素多め人間』のマヌエーロ・ライモレノリナル・イジアマディオ・コルネリオス・マジリオだった。
(やっぱりお前か…そうだと思ったよ)
そんなことを思いながら俺は手に魔力を集め始めた。
「行くぜっ、混沌の世『ファイヤーボール』グハッ」
俺は自分を殺そうとする相手に態々攻撃を許すほど穏やかな性格ではなかったので早速攻撃を開始した。
「よくも…よくもマヌエーロ・ライモレ『ウィンドボム』ブフェッ」
という感じで戦闘開始早々にマヌエーロ(以下略)とゲーイが撃沈した
「やってくれるじゃねえかクソガキが!」
仲間がやられたことで気が動転しているのか、ザーコが二刀流スキルを使って真っ向から攻撃を仕掛けてきた
(こいつが二刀流を使っているところを見ていると二刀流スキルが欲しくなるじゃねえか!…よし、二刀流を貰っておこう)
俺はザーコの斬撃を躱すと、ザーコの肩に触れて強奪を発動させた
(よっしゃ、強奪成功)
そして急に二刀流スキルを奪われたザーコは剣を二本振るうことができなくなり、首を傾げていた
「いきなり二刀流が使えなくなった…お前、いったい俺に何をした?」
「いや、ただお前の二刀流を使えなくさせてもらっただけさ」
(強奪スキルでな!)
と心の中で付け加えて俺は一気に攻撃を仕掛けた
ブゥンと音を立てて拳を振るう
「うわぁ!」
情けない声を出しながらザーコが回避する。
(今の俺の体術がどれだけの威力があるかはわからないが、俺を殺しに来た奴〔可愛い女の子は別〕に容赦はしねぇ)
そう心の中で叫びながらザーコに旋風脚を放った。
綺麗なフォームで放たれた俺の旋風脚は見事にザーコの顔面に決まった。
「プギャ」
と、文字上だけならば可愛らしい悲鳴を上げてザーコはきりもみ状態で吹っ飛んで行った
「さーてと、残るはお前だけだぞ、アベレージ!」
「いや、俺はお前と戦う気はない」
と、両手を上に挙げて降参のポーズをとった
「え?いやいやいや、そこは『なかなか面白い戦いだった、良いものを見せてくれた礼に余が全力でお相手しよう』とかいうべきところじゃないのか?」
「なんで俺がそんな魔王的なセリフを言う設定になってんだ!?だいたいお前の戦い方を見てたら俺じゃ勝てないってことぐらい分かるだろ!」
(やっぱりこの世界は魔王がいるんだな…どんなに強いのかわくわくしてきたぜ)
と、俺は某人気アニメの主人公みたいな事を考えていた。
「勝てないってことは見逃してくれるんだよな?」
俺は一応聞いてみた
「当たり前だろ、だいたい俺も好きで盗賊やってるわけじゃないし人を殺したわけでもない…それに俺は早く家族に会いに行かなきゃいけないんだよ。家族も心配してることだしな。」
(確かに、初めに出てきた時もこいつだけやる気なさそうだったしな)
「そうかお前もいろいろ事情があるんだな…じゃあ俺たちは何もなかったってことでいいな?」
「あぁ、そうだな。」
「それじゃ、俺は街に戻るよ」
「次に会ったら初めましてだな。」
「そんなこと言っておいて次に会うまでに死ぬなよ~」
「分かってる、それじゃあ達者でな」
「ん」
こうして俺はアベレージと別れた
「さーてと、ゲーイから『モンスターテイム』を奪って、とっとと街に戻りますかね」
そう言って俺はゲーイの元へ走っていった。
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