恋初桜
優姫❁
第1話 新学期のサクラソウ
「わぁ…!綺麗な桜…!」
こんにちわ。私、華歌 麗月は、新学期が始まりました!桜がとても幻想的で綺麗です…いつまでも見られるぐらい…なんて綺麗…っと言ってる間にも、もうすぐ始業式が始まります!それでは!
「みなさん、おはようございます。」
「おはよございます!」
新学期。桜が1番引き立つ時期。
みんなが元気に挨拶したここは、2年A組の教室。とても明るく、元気なクラスだ。
「私は2年A組の担任になった幸野 册絵(しあの さくえ)です。先生の特技は手芸!なんですけど、名前に絵ってあるのに、絵はすごい下手で…(笑)」
「うそー!!(笑)」
「まじかよ(笑)」
みんなはゲラゲラと大声で笑っていた。
そして始業式、先生の話も終わり、帰る時。
「麗月~帰ろぉ〜」
麗月と1番仲の良い友達、美崎 爽良(みざき さら)と毎日帰っている。けれど、今日は麗月には寄る所があった。それは麗月のお気に入りで、春になると必ず行く場所だ。
「ごめんね、爽良。今日は寄る場所があって…」
「あ、そっか!いいよー!じゃぁ、また明日!」
「うん。明日ね。」
麗月と爽良が手を振ろうとした時、目が合いクスクスと笑った。麗月が爽良を見送った後走ってその場所に向かった。
「はぁはぁ…わぁ!やっぱり綺麗っ!」
息を切らしながら見上げるのは、大きな桜だった。ここは神社の桜だ。学校の桜よりも遥かに大きい、空想の世界にいるみたいな桜が咲き誇っている。麗月はほぼ毎日ここの桜を見に来る、いわゆる常連さんだ。神社の人は麗月のことを知っている。しばらく麗月が桜を眺めていた時、麗月が目にしたのは、同級生の男子、櫻樹 翔だった。桜を背もたれにして寝ていた。麗月が翼に少し近づいた時、春風が吹き、桜の花びらが1枚手のひらに落ちた。
「薄いピンクだ…とても綺麗」
触ったり、匂いをかいだりしていると…
「お前、花。好きなの?」
「ふぇ!?す、好きですけど…起こしちゃいましたか…?///」
いきなり声をかけられた麗月は、驚いて変な返事をしてしまい、少し顔を赤らめた。それを見た翔はクスクスと笑った。
「な、何笑ってるんですか!?///むぅっ!///」
「…っ///」
麗月が顔をふくらませた瞬間、ボッと音がなったかのように、翔も顔を赤く染めた。それを見た麗月の頭には、クエスチョンマークがたくさんあがった。その純粋さになのだろうか。翔は、またクスクスと笑った。少し笑い続けた後、翔は立って桜を1輪ひょいっと取った。
━━━━背…高いな~…。
「あ、ちょ、花を取ったら…」
「ごめんごめん。けどさ…」
━━━━え…?
「やっぱり。おまぇ…じゃなくて…
『華歌』桜の花、すっげー似合ってるよ///」
翔は、顔を少し赤らめながら桜の花を麗月の髪の毛に差し込み、髪飾りのようにした。翔はキラキラした笑顔で笑ったが、それをされた麗月は顔がもう真っ赤だった。
「あ、ありがとう…///」
「///あ、あー!俺帰んなきゃー!じゃーな!/////」
そのまま翔は麗月の返す返事を待たずにそそくさに帰っていった。麗月は翔につけてくれた桜の花を触っていた。
━━━━…櫻樹さん…私はもしかしたら…
『あなたに初恋をしたのかもしれません…』
第1話 新学期のサクラソウ‐終‐
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