第2話 敬樹暦300年 双子の魔女誕生


深い深い森の中に小さな家が在りました。

その小さな木造の家は所々傾き、

外壁や屋根は苔と蔓に覆われておりました。


満月が綺麗な夜、雲一つ無い星空に

2つの産声が木霊しました。

それはまるで烏と蛙が同時に鳴いたような

なんとも言えない気味の悪いモノでした。


奇声を発する2つの塊を、

愛おしそうに見つめる

独りの女性がおりました。


「お帰り。私のかわいい子供達。」


彼女の口から発せられた声色はとても暖かく

慈愛に満ちたものでした。


緑に囲まれた小さな家に

奇跡が起きた瞬間でした。

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