警備員まりこ日記
なつみかん
エピソード
高校時代に行った就職試験が何故か全滅 高校卒業時に就職浪人を余儀なくされた一人の女子高生まりこ 大好きな原付バイクに乗り、中学生時代からお世話になってる新聞販売店で働く事になった そんな夕刊配達中に起きた些細な出来事から彼女の人生が大きく変わるのである。 いつもと変わらぬ日常。バイクに夕刊を積んで配達に向かうまりこ。丁度配達先の路上では水道工事なのか、交通誘導員が二人で合図を出し合って交通誘導を行っていた。合図を送る誘導員のコンビネーションはさすがに息がピタリと合っている。停止の動作を促されまりこは誘導員の前にバイクを停止させる。が・・・事もあろうに後続の乗用車がまりこの横を止まらず通過していった。対面には乗用車が接近しているのに・・・予想だにしなかった出来事に停止を促した誘導員は戸惑っていた。「止めなきゃ事故起きる!!」まりこはそう叫んで戸惑っていた誘導員が持っていた誘導棒を手に取り対面の誘導員に車を止めるよう合図を出した。もちろん経験などない。見よう見まねの合図だった。しかしそれが様になっていたのか、数日後警備員まりことして活躍するなど知るよしもなかった。 元々高校在学中に警察官になりたくて試験を受けたが奇しくも二次試験で落ちた。おまけに就職試験も全滅、行き場を失い新聞配達スタッフとして毎朝3時に起きて配達を繰り返す毎日、少なからず刺激を求めていたに違いない。そんな最中に起きた出来事にまりこは快感を覚えた。自分の合図で車が止まってくれる、子供の時からあこがれていた警察官を諦めて似通った交通警備員の仕事。本格的にやってみようと思った瞬間だった。
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