第2話 「襖」
義父が自分が寝ている和室の押し入れを指差して「誰かいる」と言う。
押し入れの前に誰かが立って義父を見ていると言うのだ。
ヨロヨロと立ち上がって押し入れの前まで歩いて押し入れの襖を開ける。
荷物がぎっしりと詰まった押し入れの中を一通り見てから、
「おや、いないな」と言って、ふう~とため息をついてヨロヨロと寝床に戻る。
横になっても押し入れを凝視している。そして、また「誰かいる」と言う。
しばらく押し入れを見てブツブツと何かを呟いてからグーグーと寝てしまう。
大人しく寝ていると思ったら、いつの間にか目をさまして、また「誰かいる」と言い出す。
するとまたヨロヨロと押し入れの前まで歩いて、襖を開く。今度はなにかが見えるらしい。
「なんだお前か?」とつまらぬように言いながら襖を閉めて舌打ちをした。
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