日記を書く。正確には物語を書くように…

俺が拳を握って物思いに耽りながら、雨が降る確信をしていると、不意に俺の部屋の前に人が立った気配がした。


気木製のドアをノックする音がして

かわいらしい声がかかる。


「ペガサス、ごはんだよ♪」


その気配がフューニだとすぐに分かった。


今の俺よりも、歳下の十三歳で、茶がかったお下げ髪が特徴の元気で明るい少女だ。


「はーい。すぐ行くよ」


ーーフューニが呼んでる!


俺は物思いに耽り呆然と開きっぱなしの革製の表紙の日記帳を閉めると椅子から立ちあがった。


マンションのワンケーの部屋にさらにその隣に増設したように奥まった正方形の間取りを作った特殊な形をした部屋の配置で、床は、部屋の出入り口のドアのところ以外はすべて磨かれたような焦げ茶色のフローリング

俺が使っている机はワインレッドで木目を基調とし所々にアンティークが施されていた。

椅子の座る部分は丸い形でフカフカで備え付けられたクッション部分には鳥の飛びだっている刺繍がされていた。

背もたれにもアンティークが施されてとても豪華だ。

引き出しの銀色の取っ手には何かの植物がモチーフになったのであろう葉と蔓の模様があしらわれていた。


机から左側の壁側のスペースを見ると、そこにも小さなドアがあり、俺が寝室に使わせてもらっている増設したような正方形の部屋へと続いていた。


間取りは、4.5畳のスペース。

格子がないベッドがあり、その隣に小窓がある。

夜は、グリーンのカーテンをかけているのだが、朝になると結構、カーテンをかけても眩しいほど朝日が照るのだ。


ベッドの手前には、いろんな色の布を細く編み込んだ大きめのマットが床に敷いてあり、小さなちゃぶ台が置いてある。


まるで、第三者他人事のようにそれらを改めると…。


改めて思う。

俺の部屋だ。


俺が動いた拍子にお尻まで隠れる金色の縁取りがある深い藍色のローブの裾が軽く翻り、一瞬はっとしたが、その気持ちを呑みこみ落ち着かせると、机とベッドがある焦げ茶のフローリングが敷き詰められた部屋の空間から、ドアを開けるために段差を二三段降り、アーチ型の木製のドアについている金色のドアノブを回した。


アンティークを基調とする雰囲気の部屋に

ローブ。まさに魔法の国だな・・・ 


この時俺は、ぼんやりと思うのだった。

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