5月6日 寝坊
けっきょく、寝坊して遅刻した。
当然、女中頭補佐から厳しいお叱りを受けた。
明後日は念願の非番だったのに、明日の夜、厨房の地下にある食料庫で一人、ジャガイモの皮むきをしなきゃならなくなった。いったい何箱だと思う?
なんと三箱も!
ありえない。その箱ったら、バカみたいに大きいんだから。背を丸めた人間ひとりくらいならすっぽり入っちゃうくらいの幅広の深底箱に、握り拳くらいの大きさのジャガイモがごろっごろ詰め込まれていて……何個入ってるかなんて、恐ろしくて考えたくもない。三日かけても終わるかどうか分からない。
大事な休日をジャガイモの皮むきでつぶされそうになってることも知らないで(知ってるかもしれないけど、どっちだって同じ)、ベルシーはもう寝てる。彼女は寝言をいっていた。しかもそれって……なにかの呪文のようにも聞こえる。
「ムシカムシカハバラガーダ」って、いったい何語?
もしかしてわたし、呪いかけられてるのかも。
未来のユービリア国のか弱い庶民に、魔女崇拝者への反撃方法が見つかってることを切に願う。
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