中学生4
夏の吹奏楽コンクールの練習が始まった。
配られた楽譜を見ていると、先輩に言われた。
「あ、君練習しなくていいから。」
「はあ・・・」
「君、コンクールに出たくないでしょ?だから練習しなくていいよ。」
にこりと笑って楽譜をとりあげる先輩に何も言えない私。
コンクールに出れる定員は決まっており、うちの吹奏楽部は部員数が定員を上回っているのでコンクールに出れない人が出てくる。それは、1人。
そんな、私一人コンクールに出られないなんて、そんなの嫌だ。
でも、楽譜が無い。楽譜がなくちゃ練習できないじゃないか。
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