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「ええっまずっ」
清谷が驚く。
「だから言ったじゃん、ここのライチまずいんだよ。」
私が笑うと、
「え、私ライチ食べたことないよ」
と平子が清谷のライチの山から1つ取る。
「ちょっと山勢さん、おれのなんですけど…
無視しないでください!」
今日は、学生時代からの友人の山勢平子と、清谷、智樹の妹の笑子の4人で、いつものファミレスで夕飯をとっている。
「ねえ笑子ちゃん、」
私が話しかけると、二重の目がこちらを向いた。
「何で智樹いないの?」
「ああ、ちょっと風邪ひいてて…」
「笑子ちゃんは、何の部活?」
平子が話を変えたため、胡散臭いが聞くのをやめる。ふと見ると、”困らせちゃだめでしょ”
と平子にみられた。
「吹奏楽部です。フルートをやってます。」
「へえ、そんな感じするわ」
急にライチと格闘していた清谷が指をさす。
「あれ、カリじゃないの?」
ほんとだ。
「カリって誰?」
と平子が聞くので
「上司」
とだけこたえた。
ここだけの話、私は最近カリにかなり嫌われている。何もした覚えはないのだが。
「場所変える?」
清谷が聞いてくるが、首をふる。
「なんか亜美暗いね、どうしたの?」
「なんかお腹いたくて。」うそだけど。
「じゃあ、トイレにいきなよ。」
小学校の教師のような平子の発言に、他の人達が笑う。いけない、眉をよせちゃ。
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