中学生2

しまった。

4つのパーツは組み立てたものの、銀色のs字のパイプが曲がってしまった。

「なにやってんの?」

後ろから先輩に怒鳴られる。

「ねえ、これ弁償だよ?」

パイプを奪われる。先輩は曲がった部分を逆に折ると

「ねえ、ちょっといびつだけどこれでいいよね。

 これ君がこわしたから、この楽器つかわないで、君は自分の楽器を買いなよ。」

と言った。

 自分がほっといたことが先生にばれたくないのだろう。

「今日楽器屋で楽器注文してね。」

と念を押されて壊れた楽器で練習を始めた。


首からストラップをぶら下げ楽器をつるすので首が痛い。

「ああ、違う違う」

先輩はイライラと私のリードのくわえ方をなおす。

リードというのはs字のパイプの先に付ける音源のことで、使い捨てなので何本かケースに入れてある。

「君上達遅いね」

といわれ、

「すいません」

と答える。なんどその受け答えをしたのだろう。

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