第41話 酸素ボンベ?
「どういうことだ? ヨウ。詳しく説明してくれ」
「アーシャも気になるです!」
水から上がった俺に、同じく水から上がったレオさんとアーシャが聞いてくる。
「まだ道が続いている、てことですよ」
「何を言っているの? どこにもそんなのなかったわよ」
今水から上がってきたアーシャ姉が、横からそう言ってきた。
どうやら今まで、しっかりと何かないか探していたみたいだ。
口と性格はあれだが、意外にそこら辺のことはしっかりしてるのか?
「中央の底に、隠し通路があるのを確認した」
「よく見つけられたな、隠し通路なんて」
「色々とやりましたから」
「でもその隠し通路って、水の中ですよね? どれだけ続いてるか知らないですけど、アーシャはそんなに息を止めていることができないです」
そう、通路は水で満たされている。
俺1人なら色々と手段はあるが、アーシャ達3人もとなると、かなり方法がなくなってくる。
さらに、水中での戦闘がないとは限らない。
なるべく行動の邪魔にならない方法でなくてはならない。
「ないなら、作るか」
「何をです?」
「出来てからのお楽しみ」
俺はアーシャ達にそう言って、アーシャ達から少し離れる。
そうだ。
この世界にないなら、作ればいい。
酸素ボンベを。
でも、酸素ボンベってどうやって作ってるんだ?
実物を見たことも使ったこともないしな。
とりあえず、それっぽく作ってみるか。
俺はそう考えて、まず[土魔法]でボンベを作る。
中に気体を入れるから、ほぼ密閉空間になるようにして作る。
そしてできたボンベに、圧縮した空気を[風魔法]で入れていく。
ボンベ一杯に圧縮した空気を入れたら、ボンベから[土魔法]でホースのようなものをつける。
後は圧縮した空気をそのまま吸ったら危険だから、ホースの中央を少し大きくして、完成。
ホースの中央の大きくなってるところで、圧縮した空気を元に戻すして、その場所で止めておく。
ホースの先から空気を吸えば、中央に溜まっている、普通の空気を吸うことができるというものだ。
この仕組みを維持し続けるのにMPを使い続けるが、俺のMPならなんら問題ない。
これと同じものを後3つ作れば大丈夫だな。
「できたですか?」
「完璧な作品に仕上がった」
「それで何なんですか、それは?」
「フッフッフ、なんとこれがあれば水の中でも息ができるという、凄いものだ!」
「なんですかそれ!! 凄すぎるです!!」
「それは本当なのか、ヨウ!!」
「はい。陸地と全く同じ、とはいかないまでも、ある程度なら水の中でも息ができます」
「そんな凄いのどうやって作ったです!?」
「説明したところで、同じものを作るのは無理だろうさ。かと言って、説明はしないけど」
「えーー、ちょっとぐらいいいじゃないですか?」
アーシャはとても残念そうにそういう。
アーシャの後ろに居る2人も、かなり残念そうな顔をしている。
説明するためには、俺の能力に関して説明しなくてはならない部分があるからな。
どんなにお願いされても、教える気はない。
これで、水の中での行動が可能になった。
後はこのダンジョンを攻略して、オエステア大陸に行くだけだ。
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