パステル ブルー   失恋の色

楠秋生

思い出のの破片

蒼い硝子の破片かけらを小さな瓶の中に入れた

思い出を閉じ込めるために

蒼い硝子の破片かけら───遠い思い出


瓶の中の蒼い破片は、なぜだかとてもきれいに見えた

僕はその破片を入れた瓶を、海に向かって思いっきり投げた


思い出と一緒に


傷ついた僕の心は、蒼い硝子の破片と一緒に波間を漂う

海が全てを忘れさせてくれる



  いつか蒼い破片は瓶から零れ出て、僕の心は海に投げ出されるだろう

  海はその大きな胸の中に僕の心を包み込んでくれるだろう

  海はその優しい夢の中に思い出の影を隠してくれるだろう


  さようなら 蒼い硝子の破片───遠い思い出

  さようなら 凍りついた僕の心



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