第5編 離別の涙

今日僕らは最後の言葉を交わしそれぞれの道を往く

悲しかったこと、苦しかったこと、怒ったこと

嬉しかったこと、楽しかったこと

全部「思い出」という鞄の中に詰め込んで


この離別わかれが必ず訪れるものならば

『別れは出会いのため』だとか

『新しい出会いの始まり』だとか

二番煎じな言葉聞きたくない

そんな幸せな考え方なんて今の僕には出来ない


確かな絆で繋がれた君という存在を失い

他人ばかりのこの世界で

特別な存在でも、才能もない僕が一人で生きていく

それがただ怖くて怖くて仕方がない


今はただ泣くことしか出来ない哀れな僕と

ここで一緒に泣こう

悲しいなんて気持ち忘れちゃうくらい大声でさ


それで最後はそんな自分たちに向かって

真っ赤な目をしながら大きく笑おう

それで次に会うときのために

「またね!」って満開の笑顔でさよなら

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