七星覇王伝2

抹茶かりんと

飛ばし読みしたい人のための「1」ダイジェスト

 この物語の舞台となる華煌かこうという国では、八卦師はっけしという術師たちが存在しており、その八卦師が星見ほしみ星読ほしよみという術を使う時に用いるのが、北の空に輝く七つの星――北天七曜星ほくてんしちようせいである。


 伝承では、北天七曜星のいずれかより星が流れ出る時、星王というその星の支配者が地上に下り、そこで新たな地上の支配者となるべき覇王を選ぶと言われているのだが、本来なら一つしか流れないはずの星が、七つ同時に流れた事から、そこに地上の支配権を巡り、争いが巻き起こる事になった。


 先帝の夭逝により、幼くして帝位に就いた雷将帝らいしょうてい優慶ゆうけい(7)の治める華煌帝国。そこでは、優慶の母であり帝国の実権を握る太后(31)と、先帝の弟であり河南かなんの大公である楊桂ようけい(45)との間で、帝位を争う内乱が続いていた。

 そんな中、楊桂が原因不明の病で倒れ、事態を憂いた楊桂の娘、麗妃れいひ(19)が伯父の楊蘭ようらん(20)と諮り、優慶を暗殺する為に、燎宛宮りょうえんきゅう(=優慶の居城)に羅刹らせつ(=妖魔の一種)を送り込んだ。だが、その計略は、劉飛(18)の活躍によって阻止された。


 ところで、優慶にはお忍びという悪い癖があり、そのお陰で、城下で星海せいかい(11)というスリの少年と運命的に出会った。二人は、楊蘭の間者である闇師と遭遇し、命を狙われるが、劉飛に助けられて、事なきを得る。その時の劉飛のかっこ良さに惚れこんだ星海は、弟分として押し掛け、以後共に行動する事になる。


 度重なる刺客騒ぎを憂いた太后は、宰相・蒼羽そうう(41)を介して、皇騎兵軍元帥である天海てんかい(60)に、今度こそ大公軍を河南へ退ける様に厳命する。周翼の立案で囮となった劉飛は、敵の左将軍――海洲公かいしゅうこう楊柊ようしゅう(40)を討ち取り、皇帝軍に勝利をもたらした。また、都から劉飛に同行していた星海は、天海に気に入られ、その養子となる。


 秋白湖で戦が行われていた頃、太后は八卦の秘術を用いて楊桂を謀殺した。そして、星王の覚醒により、宰相の娘、華梨(16)の義弟、蒼炎そうえん(14)は謀反を企てたものの、華梨に阻まれて逃亡する。


 逃亡した蒼炎を湖北こほくという村まで追い詰めた劉飛と周翼(16)。周翼は、旧知である蒼炎の投降を説得しに行くが、そこで優慶が皇帝の資格のない皇帝であると告げられ、蒼炎を連れて河南へ逃亡する道を選んだ。「必ず戻る」という周翼の言葉に裏切られた格好の劉飛は、ショックを受ける。またこの件の責を問われて、左遷され、更に落ち込む事に。


 始皇帝の末裔である蒼炎(本名、李炎りえん)を、次期皇帝に据えようという河南の思惑により、周翼たちはその庇護下に入り、又そこで、河南の会計監察官、杜狩としゅ(25)や、その補佐官の楓弥ふみ(23)など、心強い味方を得る。

 一方、太后の放った刺客、緋燕ひえんによって、敬愛していた楊蘭を失った麗妃は、その仇を討つべく、手勢を率いて都へ向かう。

 麗妃の燎宛宮奇襲は、劉飛の働きによって阻止された。この戦いの最中、麗妃と出会った劉飛は、これに一目ぼれする。


 麗妃が燎宛宮に囚われた事で、河南は李炎を新たな領官りょうかん(=地方長官)に立て、楊家との決別を宣言し、燎宛宮との和睦を申し出る。微妙なパワーバランスを考慮した結果、燎宛宮はこれを承諾せざるを得ず、その和睦締結の使者として、周翼が都に赴くことに。


 心ならずも劉飛を裏切ってしまった周翼だったが、二人は都で再会する事に。しかし、その関係修復を求める劉飛に対し、苦悩の末、自らの思いよりも、星王から課せられた使命を選んだ周翼は、これを拒絶してしまう。


 劉飛との別れが思いのほか堪えた周翼が失踪。気力を失って、心を閉ざし、身を隠して引き篭もってしまった周翼を河南に呼び戻す為に、藍星王らんせいおうは一計を案じ、白星王びゃくせいおうに協力を求める。


 その白星王の力によって、楓弥ふみは、訳あって封じていたかんなぎ族の巫女の力を再び手にし、それによって周翼の行方を突き止め、杜狩と共に周翼のいる広陵こうりょう地方の岐水きすいを目指す。


 一方、麗妃の奇襲を阻止した功により、皇騎兵軍に復帰した劉飛は、華梨を伴って、養父・璋翔しょうしょう(36)の郷里である、同じく広陵の小都、西畔せいはんへ赴く事に。果たして、彼らの運命の糸は再び交わる事になるのか――

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