第258話 クリスマス・フィードバック・サンタボーズ・・・その1
「そろそろクリスマスだな」
「ああ、そうだね」
わたしはそこで話を終わらせたかった。
お師匠が和風につけ洋風につけ何か季節がらみのイベントを口に出す時必ずよくないことが起こる。
去年のクリスマスにやった、『クリスマス・フィードバック・ブディズム』は結構楽しかったとは思うけれども準備の大変さを考えるとちづちゃんあたりと静かなクリスマスを過ごしたいという気持ちが強い。
「もより、クリスマスやってくれ」
「意味がわかんないよ。それにどうせ年末でお寺の仕事も忙しいし。いいんじゃない、今年は」
「それだとなんだか寂しい」
お師匠らしからぬ言葉が飛び出した。少しだけかわいそうになる。
「じゃあ、あまり規模を広げないでやってみる?」
「頼む」
引き受けてはみたもののアイディアが湧いて出てこない。休み時間に教室の机に向かい、うーん、と腕組みをしているとちづちゃんが声を掛けてくれた。
「もよちゃん、何か考え事?」
「うん、そう。お寺向けのクリスマスの行事を今年も考えろってお師匠に言われて。ちづちゃん、何かいい案ない?」
「うーん。クリスマスと言えば、ツリー、ケーキ、プレゼント。プレゼントと言えばサンタ」
「サンタか・・・あ!」
「浮かんだ?」
「うん。サンタやってみよう」
「もよちゃんが?」
「うん。サンタボーズ」
「?」
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