第112話 Goodbye Mom その1

 何年振りだろう。久しぶりのおじいちゃんとおばあちゃんの家。お母さんの実家。

 クリスマスフィードバックブディズムを終え、冬休みに入った途端、市内でドカ雪が降った。

「ありゃー、しょうがないなー」

 家の前は新聞配達と思しき人たちの足跡があるだけで、今朝までの積雪50cmほどがそのままになっている。わたしは入り口にあったスコップでガッガッと一気に除雪していく。

「もより?」

「おばあちゃん?」

 がらっと引き戸を開け、おばあちゃんがわたしを見上げる。

「背、高くなったね?モデルみたいだわ。雪、よかしてくれたんだね。ありがとう。さ、入りなさい」

「うん、これ終わらせてからね」

 ふっ、ふっ、と背中が汗ばむほどの勢いでスコップを動かし、道をきれいに開けた。

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