第31話 わたしを見て その3
「上代さん、ちょっと男子に混じってみようか」
「えっ?」
わたしは男子体育担当の吉田先生の提案に戸惑った。
いや、まあ、陸上軌道競走の時だって男子に混じって出てたし自分でももはや違和感を持たなくなった。
でも。
いくらなんでもあんまりだと思う。
今日の授業は1500M走なのだ。
女子は800Mだ。
「上代さんは走るの得意だろ」
「好きではありますけど、得意かどうかはちょっと・・・」
なんやかやと言いながら、いつの間にかスタートラインに立っている。
一レース6人。
途中までは文句を言っていたけれども、スタートラインにたつと皆本気モードに変わる。
気持ちは分かる。
女のわたしに負けたくないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます