第28話 純喫茶アラン その17

「市松くん、送っていくよ」

 え、と市松くんはちょっと考える仕草をした。けれども、大丈夫、歩いて帰れる距離だから、と断った。

 男らしい。

 もしわたしに対する感情が想像通りのものだとしたら、少しでもこういうチャンスを逃したくないだろうに。

 それなら。

「4組にも遊びに行っていい?」

「え?」

「迷惑ならやめとくけど」

「いや、そんなことないよ。どんどん遊びに来てよ」

「アランにもまた行っていいかな。今度は友達連れて」

「うん、是非来てよ。土日はおおマスターも店に出てるから。いい人だよ。

 あ、そっか。老マスターじゃなくっておおマスターなんだ。

 よし。

 来週あたりみんな誘って5人組で行ってみようか。

 制服じゃなくて、私服でね。

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