《更新停止中》平行世界の交差点〜The world crossing〜
葦
第一部*少年は異世界で《何を》するのか
第1章*幕開け*マクアケ
第01話
世界は平行な直線だ。それ故に交わることは無い。だが、ときに世界は捻じ曲がり、交差する。神と呼ばれる存在はその交差点を嫌い、消し去り、元に戻そうとする。そうしなければ、世界はさらに捻れ、合わさり、千切れるように世界は崩壊するからだ。
アムストラ学院、ここは第三次学校(高等学校のこと)と第二次学校(中学校のこと)の一貫校として認可された学校。時は7月の末、夏季長期休暇真っ盛りの学校に居た俺こと
「あれー?おかしいなー?そこそこ成績の良い二世君が何でこんな所にいるのかなー?」
こいつは睦月リオ。俺のクラスメイトだ。はっきり言ってうざい。
「自分から受けてるんだよ。お前もそうじゃないのか」
「それはそうだけど、私はただ夏休みだというのに一緒に遊びに行く友達もいないのかなーって思ってね」
こいつの口を誰か塞いでくれ。
そのとき電話が来た。クラスメイトの
『交也、ちょっと屋上に来てくれないか?』
この学校の屋上は行けないぞ。そう答えると、
『大丈夫だよ。知り合いに頼んでピッキ…開けてもらったから』
いや、その知り合い何者だよ、ということは言わずに俺はとりあえず屋上へ向かった。
「あいつ大丈夫か?」
屋上でのその様子をペントハウスの中で聞いていた時、自然とそう呟いていた。俺が屋上で相談されたのはこんなことだった。【睦月リオに告白したい】と。もちろん反対した。あいつの性格からして告白が成功することはまず無いだろう。 はてしてどうなることやら。ん?もう告白したみたいだな。あいつの返事はどうなる…?
「よろしくお願い…」
あれ、もしかして成功するのか?してしまうのか?
「しません!」
聞き間違いじゃなければあいつは確かに、よろしくお願いしません、と言ったよな。何かあると思ってたが…まさかこうなるとはな。
バンッ!いきなりドアが開けられて都が階段を駆け下りて行った。すると、睦月が近づいてきた。
「いいの?放って置いて。彼、結構心弱いでしょ。」
そう、都はとんでもない程の小心者である。
「……やばいな」
そう思った瞬間、俺は走り出していた。
「一体何をしでかすのかしらね」
都はすぐに見つかった。ただ、何をするつもりなのか気になってこっそり尾行することにした。もうかなりの街はずれに来ているが都はどこへ行くつもりなんだ?この先には橋を越えたところに山ぐらいしかないぞ。そのとき、俺の脳裏に怖い考えが浮かんだ。それと同時に都は俺の考えと同じことをしようとしていた。俺はすぐに止めた。
「やめろ!」
都がしようとしていたこと、それは自殺。高いところから水に飛び込めばそれなりのダメージがある。そう考えて俺は走り出し、橋の欄干から飛び降りようとしていた都を押しのけ、そのままの勢いで橋から落ちた。
どれだけ経っただろうか。俺は気が付いて目を開いた。俺が居たのは川の中でも河原でもなく、遠くに町の見える丘の上だった。
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