第8話 いつかまた、どこかの空で
ある女の子が泣いていた。
長い髪で、僕よりちょっと背が大きくて、白いカッターにチェックのスカート柄。
学校の制服を着ている。帰り道のようだ。
整った顔には皮膚の焦げた焼き傷のような跡が点々としていた。
女の子は目を赤くして、いつまでも目が擦り切れそうなくらい手でこすっていて、涙の雨はいつまでも止みそうになかった。
僕は傘を持ってきた。雲の上と同じ、空色の傘を。
「僕で良ければ、雨宿りしていいよ。おねーちゃん!」
一瞬、閉じていた瞳が開いた気がした。
「うん!」その顔は、とても晴れやかだった。
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