第66話 ダンジョン攻略 2

最初の街のギルドに久しぶりに来たが、やっぱり空いている。


大きい街にいたから、街の小ささを実感させられたよ。


そんな感慨にふけらず、とりあえずクロエさんのところに行き、ポーションでも売りますかね。


でもこっちではしばらく来てないから何か言われそうだな。


そう思いながら、クロエさんに近づいて行った。


すると、近づく途中でクロエさんがこちらに気づくと、こちらに急いでやって来た。


「零さん!」


「は、はい!なんでしょう!」


「今すぐ私について来てください!」


クロエさんの勢いに負けて大人しくついて行くと、前に10万本のポーションを渡したところに着いた。


「零さん、今すぐポーションを1万ほど出してください!」


「わ、わかりました」


そんな感じで流されながら、僕は1万本ものポーションを出した。


出している途中、ギルドの役人と思われる人が何人も入ってきた。


その人たちはポーションを何本も持ち、運んで行った。


とりあえずは1万本出し終わったので、なんでこんなことになったのかを聞いてみることにした。


「あのー、クロエさん?」


「何ですか?」


うん、なんかちょっと不機嫌な感じがする。


「何かあったんですか?」


「何もありませんよ?」


「じゃあ、なんであんなに急いでいたんですか?」


「なんでって、零さんが30日近くも来ないからじゃないですか!」


「す、すいません」


「いえ、こちらも冒険者を縛ることはできないので、気にしないでください」


「で、ですが」


「それなら、私からお願いがあります」


なんか嫌な予感もするが自分が蒔いた種だし、責任くらいは取らないとな。


「はい、僕にできることなら」


「それでは、これからはできるだけ多くこの街に来てください」


「それくらいでしたら、なんとかしますね」


ここに来なくちゃいけないなら、ダンジョンどうしようかな?できるかな?まあ、少しくらいなら、来なくてもいいか。


「零さん?来れない日は仕方ないですが、来れるのに来ないのはダメですからね?」


「りょ、了解です」


これからの僕の予定が決まってしまった。


縛れないとか言っておきながら、縛るんですね。まあ、それに抗えない自分もどうかと思いますが。


「あの、それで今日はまだポーション出した方がいいですか?」


「はい、前と同じくらいでお願いします」


「わかりました」


「あ、ですが、劣化ポーションの方は減らしてください」


「わかりました。それで、どのくらい減らせば?」


「今までの半分くらいでお願いします」


「わかりました」


「でもなんでですか?」


「そろそろ、需要がなくなってきたみたいで」


ついにこの日が来てしまった。


劣化ポーションの方はポーションよりは作ってないとはいえ、かなりの量があるからなんとかしておきたいんだけど。


まあ、作り過ぎた僕のせいだから仕方ない。


劣化ポーションが売れなくなったってことはポーションの方もそのうち売れなくなるかもしれないから、新しいポーションも作りたいけど、どうすればいいのだろうか?


そんなことを考えながら、ポーションを出して言った。


今回は前回よりも増えて、875万ゴールドになった。


最近、金銭感覚がおかしくなってきてやばい。なんか多いと思わなくなってきたのだ。


そんなことで、ポーションを売るのも終わり、ファスムの街を出て、新しい拠点に帰ってきた。


宿に入り、ログアウトをした。

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