第64話 新しい街 6
翌日も僕はギルドに来ていた。
ギルドに来たら、まず誰がどんなことを担当しているかを聞いた。でも今度の人はお金を要求してこなかった。
もしかして、昨日のはいいカモにされた?まあ、金貨1枚くらい別にいいか。
そう思えるほど金銭感覚がおかしくなっていた。そりゃあ、大白金貨2枚分もあれば、そうなるよな。だってそれだけで金貨2000枚分はありますからね。2000枚のうちの1枚がなくなってもそんな痛手にはならないからな。
いろいろ聞いて、掲示板の場所、クエストの受け付け、クエストの達成報告の受け付け、素材買い取りの受け付けなどなどを教えてくれた。でもダンジョンの受け付けはわからなかった。
そこも聞いてみると。
「あ?ダンジョンのクエストなら、掲示板に貼ってあるから、ふつうのクエストと同じでいいんだよ」
「そうですか。ありがとうございます」
とのことなので、さっそく掲示板に行ってみることにした。
でもダンジョンのクエストはなく、仕方なくSランクのクエストをやることにした。
うーん、確かこの紙を持っていけばいいんだよな?
そして、その紙を持って受け付けのところに行った。
それから、数十分後、ようやく僕の番ががまわってきた。
「あ、昨日の人じゃないですか。いきなりクエストですか?」
「はい、そのつもりです」
「では、どのクエストを希望ですか?」
「あ、これで」
と、僕はさっき持ってきたSランクのクエストの紙を出した。すると、受け付けの人の目が変わった。
「あなた、本当にこれ受けられるんですか?」
「え?何かまずかったですか?」
「このクエストは一応Sランク数人が推奨となっていますが」
「ああ、はい。大丈夫です。これでも一応Sランクなので」
「え?そうなんですか?」
「はい一応ですが」
「それは失礼しました。ですが1人でやられるんですか?」
「はい、その予定ですが」
「でしたら、あまりオススメできません」
「そうなんですか?」
「はい。一応1人でクリアしてる人もいるのですが……」
「それなら、大丈夫ですよ」
「そうですか、それでは気をつけてください」
というわけでさっそく狩りに行ってみたが、何の問題もなく、あっさりと終わってしまった。Sランク数人必要でも僕には関係ないからな。
基本、首と胴体を離してしまえば、大抵の生物は死ぬからな。
それに今回のクエストはドラゴンの討伐だったからそこまで苦戦することもなかった。
まあ、僕が苦戦する相手なんて魔王くらいなものですよ。
それでギルドに帰り、クエストクリア報告をしたら驚かれてしまった。しかもかなりキレイな状態とかで買い取り価格もやばいことになっていた。
やっぱりこういう難しいクエストのモンスターを倒す方がいいな。報酬も多くなるし。
そんな感じにウハウハな気分で帰ろうとしたら、多くのプレイヤーから勧誘を受けた。今までこんなことなかったに急にどうしたのだろうか?
それにあんまり他人とは関わりたくないから、すべて丁重にお断りした。それに僕の力はあんまり他人に見せたくないし。
中にはかなりしつこい奴もいたが、頑なに拒んでいたら、諦めてくれた。
それでいつも通り宿に帰り、ログアウトした。
それから、数日間ダンジョンのクエストを受けることはできなかった。ダンジョンのクエストに受けられたのは、ダンジョンイベントが始まってからだった。
その間、なぜか多くのPKに遭遇したが、そのすべてを退けてやった。
やっぱり、何というか無双とかいう割には、あんまりそんな感じはしないな。まあ、僕を除いてですが。
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