誰もが一度は話題にしたことがある血液型。
よく考えれば矛盾だらけなのに、何故か納得できてしまう血液型。
ここを上手く物語にした秀作です。
主人公の一人語りがとにかく魅力的で、小難しいのに何故か引き込まれてつい聞いてしまいます。
彼を囲む人間達も一癖あるものの、どこか日常にいるような一癖だからか親近感があります。
物語り全体に貫かれる三雲女史の血液型の謎や、演劇部のイベントや主人公のバイトなどが見事なスパイスになって、リズミカルで飽きが来ない作品に仕上げています。
正直、脱帽しました。読んで損はないです。
作者の文章力が高いからこそかける作品だと思います。