怪奇で糊塗されたミステリ。病院のリサイクル室に棲む蔵狩は「本来は世界を股にかけ、謎と冒険の日々を送るべきなのだが」あふれ出る能力を隠すため、従事しているのだった。女性関係に妄想力を働かせている蔵狩は愛すべきキャラクター。そんな彼に、謎を摂取していきる八見坂真宵が、毎度(事件とはおおよそ関係のない)めんどうな状況を引き起こしては、その代わりに謎の解明に手を貸す。丁寧にロジックが編まれてあるので、読んでいてすとんと解決に納得できます。怪奇なキャッチコピーはご愛敬。