第45話 担当看護師

 片岡さんが出たのと入れ違いに担当看護師さんが入室してきた。

「岡さん、こんにちは。じゃぁ、血圧と体温はかりますね」

 看護師さんは体温計をおじちゃんに渡した後、血圧計の腕帯を巻きつける。

「姪っ子さんは薬剤師さんなんですか?」

「えぇ、そうです」

 どうして知っているのかと、不思議な顔で返事をすると看護師さんはすぐに答えた。

「さっき、お部屋に入ろうとしたら、偶然聞いちゃって」

 先ほどの片岡さんとのやり取りがすべて聞かれていたのだろうか。

「俺の自慢の姪っ子だよ」

 ガハハとおじちゃんは笑った。

「薬剤師って儲かるんですか?」

「えっ?」

 突然の質問に私はきき返す事しかできなかった。

「看護師って給料安い割に仕事きつくて、今度やるなら絶対薬剤師だなぁって思うんです」

 看護師さんは話しながらでもテキパキと動き、「体温は36.5度。血圧は135/73。いいですね。じゃぁ、また来ますね」と、言い忙しそうに退出していった。

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