第36話 今後の治療は
「岡昌司さーん」
私が力なくおじちゃんの名前を呼んだ時、自分がどんな顔をしているか想像したくもないほど、絶望的な表情をしていたと思う。
「おぅ」
おじちゃんが右手を上げてゆっくりと投薬カウンターまで来る。私はそれを直視できずにいた。これはきっと悪い夢なんじゃないか。何度も頭の中で繰り返しても、目の前にある処方箋の内容が変わる事はなかった。
「おじちゃん、今日の薬って初めて飲む薬?」
私はおじちゃんの顔を見れずに下を向いたまま尋ねた。
「あぁ、そうだよ。体痛くてな」
「そっかぁ」
私はまだ顔を上げられなくて、何を話したらいいかわからなかった。そして、少しの沈黙が続いた後、おじちゃんが言った。
「それでな、来週から入院することになった」
「えっ!?」
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