第86話 塔は四角か丸か
さて、土台を固めるのはドラゴンコンクリートを使うので、明日以降になる。
という訳で、次は塔の上に手を付けよう。内装はまたあとでやるので、骨組み……というか、石組み部分かな。
さて、ここでちょっと迷いが出てきた。元々は四角い塔だったみたいなんだけど、塔って聞いて思い浮かべるのって、円柱形なんだよね。
「うーん」
「今度は何を唸っておるんじゃ」
「あ、じいちゃん。んーと、塔の形を四角にするか丸にするかで迷ってる」
「好きにしたらええじゃろうに」
「そうなんだけどさあ……」
「いっそ、二つ作ったらどうじゃ? 余裕はあるんじゃろ?」
「それだー! じいちゃん天才!!」
そうだよ、塔は一つだけでなきゃいけないって決まってる訳じゃないんだから、二つ作ればいいんだ!
よーし、そうと決まったら、こっちは元のまま四角で作ろうっと。亜空間収納から石材を出して、形を整えていく。
四角に石を組む場合、あんまり考えずにいいから楽。石材は最初から四角いから、そのままちょっと形整えて積み上げていけばいいんだもん。
「あ」
そういえば、石を積み上げただけじゃ横からの力に弱いよね。石材同士をくっつける、いわゆるセメントが必要……
って、ドラゴンコンクリートは明日以降じゃないと使えないじゃないかー!! まだ亜空間収納での焼成が終わってないよ……
「ええい、それはまたあとで! 今は組むだけ組んじゃえばいいんだい!」
組んだあとで強化しておけば、塔というオブジェクトとして認識するから、ショックが加わっても崩れないし。
そう、強化魔法って面白くて、一部だけにかける事も出来るんだけど、複数のものを一つのオブジェクトとして認識させてかける事も出来るんだよね。
一人にかける事も出来るし、集団をオブジェクトと認識させてかけると全体強化にもなる。これも、実験済み。
よし、そうとなれば、整えた石材を積み上げていくぞー!
何か、後ろからじいちゃんとブランシュ、ノワールの視線を感じるけど、気にしない。今は石積み上げるのに忙しいから、あーとーでー。
四角い塔の石組みは完了。これで明日コンクリートが出来たら、石材の間に注入して固めればOK。
さて、中の床はどうしよう。木材オンリーにするか、マンションみたいにコンクリートで床を作って、その上に床材を貼るか。
強度が上がるのは、当然コンクリだよねー。じゃあ、コンクリで床作って、その上から床材だな。
あ、床にも断熱材入れないと。冷えは足下からくるからね。北国の冬って、凄い寒いっていうから気をつけないと。
地下室部分は温度を一定にしたいから、コンクリで固めたら、上からモルタル塗るだけでいいかな。
さて、じゃあ次の円柱の塔を作ろうかな。場所は……ここの反対側でどうだろう?
防壁にくっつける形にすれば、そこを渡り廊下的に使えるから、ちょうどいいかも。
よし、四角い塔が湖に張り出すように立っているのに対して、円柱の塔は反対側を見張るような形にしよう。
……見張るって、何をって聞かれても困るけど。この砦に襲撃かけてくるのなんて、盗賊くらいかな。
盗賊に関しては、魔法で十分対処可能ってあの何とか一家で証明出来たしね。
元々、砦は砦として使うんじゃなくて、私の家にする為にもらったんだから、いいんだー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます