遺された人々
りるる
プロローグ
西暦2000年代以降、まだ核兵器が廃絶されておらずいつ発生してもおかしくないとされていた『第三次世界大戦』(以下WW3)。各国が協力して抑えられていた戦争もついに2018年、世界の努力も虚しくWW3の戦争の火蓋が切って落とされた。
10年続いた結果、戦前の世界人口の約85%の犠牲者を出した。社会主義連合のトップであるロシアと資本主義連合のトップであるアメリカが連合国に核兵器を分け戦い合った結果、全世界が巻き込まれていった。
その結果、いろんな民族間の内戦もこの時に悪化しどちらの民族も死滅というケースも少なくなかった。
ただ、日本はどの国よりも1番核兵器を保持せず、使った回数はたったの1回で、その1回で『WW3』は終結を迎えた。
結果として資本主義連合が勝利したという形にはなったが、ほとんどの国の国民が生存率7〜8%だった。そんな中、日本人の生存率20%はだった。
それはどの国も共通の思いだったからだ。
どの国も、最終的には日本を含めた一部の国に世界政治を任せるべきだと戦時中に結論付け、攻撃対象から外したからだ。
そして、その意思に応えるべく戦後すぐに創設されたのが「国際連合議官教育大学校」通称『国議大』だった。
そこで教育を受けた者のみが入れる「議官院」で、国際連合の要となる仕事に就く。
また、自衛隊から「国議大」へ推薦され「議官院」に入った議官は国際連合附属の「国連軍」の指揮官になる為の訓練を受ける。
尚、年に4人程選抜メンバーとして「特別議官候補生」が選ばれ、各部署の幹部及び指揮官の資格を得る「特別議官」になる為にさらなる訓練を受ける。
この話は、候補生に選ばれた「遺された人々」である6人の話。
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