第164話 食欲がない

 猫にごはんをあげてしばらく経った頃、猫がわたしのところへやって来た。そしてすり寄る。またごはんの催促かと、仕方なく少しだけあげることにした。しかしごはんの皿には先ほどのごはんが残っていた!ごはんは残さず食べる子なのに!

 わたしはおろおろして猫に尋ねた。


「どうしたの?具合悪いの?」


 猫からの返答はない。どうするべきか。病院へ行った方が良いだろうか。

わたしは試しに別のごはんをあげてみた。すると猫は喜んで食べていた。

 ん?どういうこと?

 わたしはいつものごはんの新しい袋を出してきた。キッチンで鋏を使い袋を切っていると、猫がやって来て袋の様子をガン見している。そして新しい袋のごはんをあげると猫は完食した。どうやら袋を開けてしばらく経ったものは劣化しているようだ。それがわかるほどグルメになってしまったのか……。

 これからのごはんの時間は益々大変になりそうだ。


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