第139話 寝る場所

 夜わたしがベッドで寝ていると猫がいつものようにやってきた。猫はわたしの枕元へ上がりベッドの上を歩いていく。そしてわたしの右足に両手をついてのし掛かる。その後わたしの足の間に入り込み、自分の体をわたしの両足の間にねじ込み、ゆったりともたれ掛かる。

 あぁ、またか。何故猫は足の間が好きなのだろう。これでは身動きが取れない。猫は掛け布団の上からのし掛かるからだ。

 わたしはため息をこらえ寝ようと努力する。眠れる時はすぐに寝てしまう。その場合無意識に寝返りをうっているため、猫がどのように行動しているかわからない。いつの間にかわたしが横向きになり、猫と背中合わせになっていたりする。しかしわたしが眠れない場合、片方の足を猫の下から抜いて寝返りをうつ。

 何故ここまで猫に気を使うのかわたしは考えた。要するにウチでの序列が猫の方が上だからということもある。だがそれだけではない。猫を怒らせると結局わたしに跳ね返ってくる。つまり物理的に攻撃を受ける訳だ。

 仕方がない。そんなこともひっくるめてわたしにはウチの子(猫)が可愛いのだ。わたしは猫に対して全面敗訴なのである。

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