第132話 冬支度

 ウチでは冬はエアコンは使わない。部屋の中があまり暖まらず、足元が寒いからだ。その代わりに使うのが電気ストーブとホットマットだ。ホットマットはホットカーペットとは違い、柔らかくふにゃふにゃしている。そしてホットカーペットよりも小さい。猫とわたしが座るのに丁度良い大きさなのだ。

 わたしはストーブとホットマットを出してホットマットを敷き、すぐ側にストーブを置く。ホットマットの上にはひざ掛けを敷く。こうすると猫の抜け毛がわかりやすく、掃除もしやすくなる。

 わたしが作業しているすぐ側で猫が見ている。

 全ての準備が終わると猫はおそるおそるホットマットに乗ってくる。昨年と同じなのだが、猫は忘れているのだろうか。猫はひととおり歩き回って確かめると、ストーブに一番近い場所を陣取る。

 そう、ストーブの前は猫の指定席なのだ。

 やはり猫は一番暖かい場所を知っている。

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