第115話 早い夜

 ある夜わたしは早めにベッドへ入った。体がダルかったのだ。

 いつもより早い就寝のためか猫はベッドへ来ない。そしてわたしがうとうとし始めた時、猫の運動会が始まった。キッチンの方で何かを追いかけているような音がする。


 ダダダダッザッザッ


 うるさい。早く寝てくれないだろうか。そう思った時だった。猫はベッドの上へ駆け上がってきたのだ。わたしを飛び越えベッドの右側へ。


 ザザーッ


 掛け布団がめくれていく。猫はそのままベッドの上で遊び続ける。


 ザザッザッ


 はぁ、わたしの体の上で遊ばないだけマシだと思おう。

 それから少しして猫はそのまま横になってしまった。わたしより後から来たのに先に寝るなんてずるい!

 翌朝ベッドの上には、猫が追いかけていたと思われる小さなボールが転がっていた。

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