第102話 昼寝

 わたしは昼寝をするべくベッドへと向かった。するとそこには猫がいた。ベッドのど真ん中に。もう少し横にずれてくれないかな、と思いつつ考える。猫の左側に寝ようか。しかしそれではベッドから落ちそうだ。では右側か。右側なら出窓もあるし大丈夫かもしれない。

 わたしは猫をまたいで猫の右側に横になった。しかし狭い。猫は何故ど真ん中に寝ているのだろう。確かに前後左右どこに寝返りをうっても大丈夫だ。まさか猫がそんなことを考えて……?いやいや、それはないだろう。多分。きっとわたしのベッドも猫は自分のものだと思っているはずだ。

 そう、猫のものは猫のもの。わたしのものは猫のもの、なのである。


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