第100話 ガチョウのリエット
わたしは少し奮発してガチョウのリエットを購入した。もちろんワインのおつまみだ。赤ワインとガチョウのリエット、クラッカーを準備して、椅子に座る。まずワインをグラスに注ぐ。そしてガチョウのリエットを開ける。いや、開けようとしたが開かない。仕方がない。鋏で切るか。わたしが四苦八苦していると、猫がやってきた。そしてワインの匂いを嗅ぐと、嫌そうな顔をする。次はクラッカーだ。だがまだ開けていないので、猫も興味を持たない。問題はガチョウのリエットだ。わたしが鋏で開けたものをテーブルに置く。猫は匂いを嗅ぐと、興奮したように食べようとする。わたしは猫をテーブルの下に降ろした。しかし猫はそんなことでは諦めない。またテーブルの上に乗り、クラッカーに乗せたガチョウのリエットを食べようとする。わたしは猫を片手で抑えながら、クラッカーを口に突っ込む。
うーん、美味しい。ワインも飲む。これまた旨い。
猫は、手をバタバタさせ、ガチョウのリエットを食べようとするが、そうはさせない。と思った時、リエットを掬うためのスプーンが落ちた。猫はそれを見逃さなかった。すぐにテーブルから降りると、スプーンにかぶりついた。
あぁ、またか。
猫に、わたしのごはんを食べさせない方法はないのだろうか。
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