第66話 爪とぎ

 ウチの子(猫)は爪とぎで爪をとがない。いや、たまにはとぐが。だいたいは、置いてある段ボール箱で爪をとぐ。キッチンの隅に、猫砂が入っている段ボール箱がある。それが好きなようだ。猫が爪をとぐのはごはんの催促をする時が多い。

 わたしがキッチンにいる時、その段ボール箱で爪をとぐ。わたしを見ながら。ごはんの催促をアピールしているのだ。だが無視だ。まだごはんの時間ではない。するとどんどんヒートアップしていく。爪をとぐだけではなく、口で段ボール箱をちぎり始めるのだ。ちぎってはぽろぽろと床に落とす。段ボール箱はぼろぼろだ。そして、段ボール箱の周りには、ちぎられた段ボール箱のかすが一杯。掃除機でも吸いとれない。そして、わたしは段ボール箱を新しいものと変える。古いものは、段ボール箱の用途としては使えない有り様だ。

 猫は新しい段ボール箱が嬉しいのか、早速爪とぎをしている。

 壁で爪とぎをしないだけましなのだろうか。

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