第39話 皿

 ウチの子(猫)のごはんはドライフードであるカリカリだ。いつも皿にカリカリを入れてあげている。

 その皿はいつでもピカピカだ。ウェットフードでもないのに猫はカリカリを食べてから必ず皿を舐める。カリカリの細かいものが皿に落ちるのだろう。猫は粉の一粒も残さないように舐める。

 猫を飼っている知人に聞いたところ、カリカリなのに皿まで舐めるような猫は聞いたことがないという。やはりウチの子が食欲魔神だからだろうか。

 わたしは皿を洗うため持ち上げる。皿は洗う必要がないほどピカピカだ。洗わなくても大丈夫そうだが一応洗う。

 ごはんの皿の隣に並べてある水が入った皿は、洗っているはずなのにごはんの皿より汚れているように感じる。ごはんの皿が綺麗なのは、猫がすぐに食べて舐めるからだろうか。

 恐るべし、猫の舌。

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