第4話 確認したところで変わらん変わらん

「はい、ラブです」


転校生君が何か血迷ったことを言い放った。


「ラブ・クOフト?」

「そんなSAN値が減りそうな人は知りませんね」


だったら他に何のラブだと言うんだこいつは!

完璧もう私の脳内はオーバーヒートしている。

そしてヒィイイ!!クラスの女子達の顔が!皆般若のお面みたいな顔に!?

違うからね!きっとそういう意味じゃないからね!


「そのラブってのはどういう意味で?」

「好きです。一目ぼれです。付き合ってくださいという意味ですが何か?」


そういう意味だったー!!!!

聞いた私がバカだったー!!!!


「アユアユが欲しければ私を倒してからにするがいい!」


サッキー。今そういうことされるとさらに場が混沌となるからやめて。

ていうかあんたがこの状態の元凶だろうがぁあ!!


「なんと!だがしかし女性の方に対して手を上げるのは少しためらいが、紳士として」


紳士の割りにはさっきディスポーザーがわざとだけど転ぶとき、助けなかったよねあんた。


「ふ、なら菊池君!カモン!」

「ハニー、キミのためなら僕はいつでも駆けつけるよ」


菊池が現れた!

私が真空飛び膝蹴りで倒した。

経験地は入らなかった。

むなしさだけが残った...


「何をするのさあゆむさん!」

「ごめん、むかついたからつい」


復活早いな。

そりゃ目の前に菊池が出てきたら倒さないと。

なんというか、もはや本能?


「あゆむさんと言うのですね。素敵なお名前ですね」

「いや、それ下の名前なんだけど」


菊池の存在を完璧に無視して転校生が下の名前で呼んでくる。

やっぱり人に下の名前で呼ばれるのは慣れないな。

サッキーはいい。


「ああ、失礼申し送れました。私桜木真と申します」

「いや、そういうことじゃなくて、ええと桜木くん?」

「真とお呼びください。末長くよろしくお願い致します」

「話聞こうぜ。コミュニケーション大事。人類」


いかん。ペースが完璧に向こうににぎられている。

ていうか何これ!?

私転校生に一目ぼれされて告白されてるのか。

どうしてこうなった。


「ところで私の告白の返事はまだでしょうか?」

「ぐいぐい行くね。いいよ!もっとやれ!」


サッキー、てめぇ。


キーンコーンカーンコーン


やった!調度いいタイミングでチャイムが鳴った!

助かったよ私!


「ああ、すみません。また昼食の時にでも誘いに来ますんで待っててください」


助かってなかったよ私。


「では、失礼」


教室を出て行く桜木くん。

そして


「なんで坂崎なわけ!?あの武道バカのどこがいいのよ!?」

「ていうかあの女。化粧も碌にしてなくなくなくない?肌のお手入れもなってないし」

「後でトイレでXXXしてやんよ」

「坂崎さんは皆の坂崎さんであるべきそうすべき」


とクラスの女子達が騒いでおります。

完璧ターゲットは私です。

いや、実際問題この程度だったらまったく問題無いんだけど一番怖いのは


「むふ、ムフフフフ」


と気持ち悪い笑顔で何かをたくらんでいる我が親友なのだった。


「良かったね。アユアユ!イケメンだよイケメン!」

「いや、イケメンだけどさ、別に私アイツのこと碌に知らないし」

「これから知って行くのだー!!!」


テンションについていけない...


「おーい、なんだ騒がしいな授業始めるぞー!」


先生が教室に入ってきたことで一応は収まる空気。

とりあえず今日一日、私生きて帰れるのだろうか?

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