第2話






……暑い



灯りの落ちたリビングで

ソファーが軋む音と湿った吐息だけが響いている。



首を捻って唇を離しても、

すぐに私の息ごと思考が呑み込まれてしまう。



揺れる体が一層激しくなる中、

薄らと目を開くと、うっ血した嘘の痕がすぐおこに見えた。



もう何度これを見ただろう。



擦れる素肌に汗が滲んで、纏う嘘は酷く苦い。



「……も、う…、終わりにしない?」



唇を震わせて言葉を絞れば、

返されるのは擦れた湿り気を帯びた声で、



「………まだ、まだだよ もっと…」



奥を求めようと上がる踝に

押し寄せる波が私を大きく呑み込む。









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