デット・アサシン(不死の呪い編)             清原ヒノリ/著

@Inori0328

依頼#1不死の少年

1787年カナダのとある屋敷、(バン、バン、バン!)深夜に数発かの銃声が鳴り響く『おい、これで生き残りは、居ないよな?』

『あぁこれでロデリア家あの憎いレックスにとうとう勝利した。』大柄の男が両手高く上げよろこんだ。

『しっ、余り大きな声出すんじゃねー、ただでさえ銃声が響いたんだ、サツに築かれる前に早くずらかるぜ!』小柄な男が懐にハンドガンを隠しながら言った。

『フッフフ、これで奴の依頼は、完了した、さぁがっぽり報酬を貰おぜ!』

『だな♪』

二人の男達が玄関を出ようとした時、

『あのー、あなた方依頼人は、誰ですか?』

後ろの暗闇から一人の少年の声がした。男達は、振り返ろうとせず、カップルの様にくっ付き小声で話しだした。

『お前、全員始末したと言っただろ、何取り逃がしてんだ。これでもしサツを呼ばれてみろ、俺達はここで終わるか、ブタ箱で終わるか、どっちかだぜ!』

『だがよ、この依頼は、一家の全滅、つまりあんたが20人俺が20人計40人この家のターゲットは、40人ほらなこれで全滅だ。』

『なら、このガキは、なんだよ。化け物とでも言うのか?』男達は、少年の前でケンカを始めだした。

少年は、呆れた顔で床に座り込み男達のケンカを眺めていた。

『分かったもう良い、化け物だろと生き残りだろと全て始末するだけだ。』小柄な男が懐からハンドガンを取り出しながら言った。

『でもよ。もし化け物なら撃っても弾のムダだと思うのだが。』

大柄な男が体格の良い割に弱気なことを言った、それを聞いた小柄な男が銃口を大柄な男の顔にくっ付けると『もう良い、後は俺が殺るお前は、車に帰ってろよ。』役ただずと言わんばかりに大柄な男を睨み付けた。

大柄な男は、無言で頷くと小走りで屋敷を後にした。

男が車に着くと同時に(バーン)と一発の銃声が暗闇に響き渡った。男は、一瞬、怯んだがすぐに体制を戻し屋敷の方角へ両手を合わせ深く一礼した。そして車に乗ろうと振り向くと小柄な男が左肩を押さえ無言で立っていた。

『おっと、お前かもう、全て終わったのか?ってその傷は、どうした。』男が小柄な男に手を差し出した瞬間、(バーン)と銃弾が小柄な男の眉間を貫通した。

男は、慌てて小柄な男から離れ停めていた車を盾にし隠れた。そして始末した少年の寝室から奪ったリボルバーを懐から取りだし、小柄な男が倒れた後ろの暗闇にリボルバーを構えた。

『ねぇーおじさん何かあったの?』と屋敷で聞こえた少年の声が男の後ろから聞こえた。

『しっー今、おじさん忙しから良い子は、早く布団に入って休みなよ。』男は、銃を暗闇に構えたまま言った。

『そうだよね。でもねおじさん?、僕のリボルバーを使っておじさんが眉間にお見舞いしてくれたよね?おじさんのせいで目が覚めちゃたよ。』少年の優しくも鋭い殺気の言葉が男を襲う。

男は、真っ青な顔で振り返ると白いパジャマに真っ赤な血渋きが散った少年が笑顔で立っていた。

『う…嘘だ俺が、確かに殺ったはずなのに!、それに額の穴も消えている確かお前、屋敷にいたはずなのに。あいつも殺られたしどうなっているんだ?』男は、その場に腰を抜かし座り込んだ。

『確かに僕は、おじさんに眉間を撃ち抜かれ死んだレン・ザード・レックスだよ。残念だったね、このとうり僕はげんきだよ。それから屋敷ともう一人のおじさんの件だけどあれは、僕の妹の仕業だよ。僕じゃないからね。後、僕達一族ね、父上が以前仕事の報酬で貰った骨董品の絵がね何か呪われてたみたいで、一族とその関係者皆、二度と死ねない体になっちゃたんだって、それを知った父上が急いで絵を破壊したけど遅かったみたいでもう手遅れなんだ。だからこのとうり皆元気だよ。せっかく全滅させたのに残念だったね。』レンは、笑顔で答えた。

動揺した男の手からリボルバーが滑り落ちた衝撃の音で、男は腰が抜け這いながら倒れた小柄な男の元へ逃げた。そして小柄な男が使っていた、ハンドガンを拾い銃口をレンに向けた。レンは、男が落とした。リボルバーを拾い上げ汚れを払いながら言った。

『ジンは、母上からの誕生日プレゼントなんだよ雑に扱わないでおくれよ。』レンはリボルバーの銃弾を補充しながら言った。

男は、チャンスと思いレンがリロードしている隙に再び眉間に向けて発射した。だがレンは補充しながら上手く弾丸を交した。

『あのさー、話してる時に、撃ってくるかな、普通?』レンは、呆れた顔で男を見た。そして、リボルバーを構えると『良いことターゲットを撃破する時は、狙いを定めターゲットが逃げる前に仕留める。』レンは、男から90メートル離れた場所からリボルバーを発射した。弾丸は、見事男の眉間を撃ち抜いた。

男は、驚いた顔のままその場に倒れた。レンは、倒れた男の元へ行きハンドガンを回収し、男達が乗って来た車に乗ると、近くで様子を見ていた妹を乗せ屋敷へ向かって走り出した。

翌日何者かに何もなかった様に男達の死骸は跡形も無く片付けられていたそうです。

『と、言うのが俺が聞いたレックス家の謎って話しなんだ。』中年の男がビール片手に語っていた。

その話しを横で聞いていた男が『俺も一つ知ってぞ余り大声で言えないけどよ。あっちの世界(殺し屋)では、デット・アサシンって怖がれていた話しなんだよ。後、その呼ばれてる一族に二人の子共がいるんだけどよ、確かそうそう君みたいな歳の子と君より一つか二つ下の妹がいたとかいないだとか言ってたような。まぁ200年も前の話しだよ。今じゃ子供の昔話さ。』男がつまみを選びながら言った。

『わかりました。ありがとうございます。では、失礼します。』分厚いアタッシュケースを持った少年が深く頭を下げその場を後にした。

『なぁ、あの子この辺で見たことあるか?』中年の男がビールを飲んでる男に聞いた。

『さぁなでも見た感じ里帰りの子なのかもな』

『でも何であっちの世界(殺し屋)の事を聞くんだ?』中年の男が真顔で言った。

『そう言う話しを聞きたい歳頃なんだよ。気にせず飲もーぜ!』

『だよな。気にしすぎだ、飲もう飲もう!』男達は、ビールを飲みながら再び騒ぎだした。

少年は、アタッシュケースを引きずりながら歩道をゆっくりと歩いていた。すると少年の隣に一台の高級車が停止し、車から一人の青年が急いで降りて来た。

『レン様、あれほどお迎えに参ると言ったでは無いですか。こんな所迄、歩いてこられるとは、遅れてしまい大変申し訳ありません。』青年は、深く頭を下げた。

『良いんだ。アウロ、ここまで来たのは、僕の勝手なんだ、ただバスとかタクシーとか言うのに乗ってたらここへ来てしまい。ついでに少し情報収集をしてたんだ。だからアウロ頭を上げておくれよ。』と頭を下げるアウロに対しレンは、笑顔で言った。アウロは、ゆっくり頭を上げると急いで後部座席のドアを開けた。そしてレンが車に座るのを確認するとゆっくりドアを閉め小走りで運転席に戻りその後、後方確認するとゆっくりと車を走らせた。

レンは、座席に深く座り込み考え事をしていた。

『どうかなされましたか?』アウロの優し声がレンの意識を呼び戻した。

レンは、アウロと目がバックミラー越しで合うと逃げる様に窓の外を眺めそして話し出した。『ねぇ、アウロ僕達、200年以上も生きる化け物だよね。さっきの酒場でね、僕が返り討ちで始末したロデリア一家の殺し屋達の事、大昔の話みたいになってたんだ。挙げ句の果てにデット・アサシンとか言う変な異名もついてるし。僕達、やっぱり化け物、なのかな?』レンは悲しそうな顔で言った。その様子をバックミラーで見ていたアウロは、高々と笑いだした。レンは、笑うアウロを見て涙目になりながらうつ向いた。

『レン様、200年生きたから化け物?、デット・アサシン、良いではないですか。私は、格好いいからその異名、凄く気に入りました。私は、レン様が産まれた時からずっとご一緒してますが、そんな素晴らしい異名もらえて凄く誇らしいです。それに何んだか最強で無敵ぽいですしね♪さぁ、うつ向かないでください、貴方は笑顔がとても似合う方です。だからその様な顔は、貴方には似合いませんよ。』アウロは、自分の思いをうつ向くレンにぶつけた。レンは涙を拭き笑顔で顔を上げアウロとバックミラー越しで笑い合った。

それから数分、車を走らせ、アウロはバックミラーでレンを見ると既に悩みは消えており楽しそうに窓の外を眺めていた。アウロは、レンに築かれない様に小さく笑うと助手席から一通の手紙を取ると『レン様、依頼状でございます。』とアウロは、真剣に手紙をレンに差し出した。レンは手紙を受け取るとポケットから改造式小型ナイフを取りだし封を開け静かに依頼状を読みだした。

空気は、既に仕事の雰囲気へと変わっていた。


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