(仮)ハロウィンラバー
@MUKACHI
第1話 序章
「これどうすんの?」
車のフロントガラス越しには倒れた子供がライトに照らされていた。
小学生位だろうか。結婚もしていないあゆむには詳しい年齢はわからなかった。
「ねえどうすんのよ……あゆむ……ねえってば!」
「るっさい! どうしようもないでしょ!逃げるのよ」
助手席で喚く吸血鬼女に罵り返すあゆむ。
「刑法第32条業務上過失致死傷○○をおかしたるものは15年以下のちょ
「そんなの捕まらなきゃ関係ないでしょ!」
ブツブツと後部座席で呟くミイラ女に振り返って怒鳴るゾンビ女のあゆむは
「そうよ、捕まんなきゃいいのよ。どうせ盗難車なんだしバレやしないわ」
自分に言い聞かすようにそう言うとアクセルを踏み込む。
銀色のセダンがアスファルトを軋ませて加速していく。
「ちょっと!救急車呼ばなくて大丈夫なの!?」
「大丈夫な訳ないでしょ! でも私達が呼べるわけないじゃない! そんなことキョウカも分かってる癖に!
……いや大丈夫じゃないけど大丈夫。予定外のアクシデントはあったけど逃げ切れる。なんとでもなる」
私はまだ大丈夫。
そう信じないとやってられない。
(仮)ハロウィンラバー @MUKACHI
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