第9話

 ドラゴンが討伐されてから一カ月が過ぎた頃。

 私は買い出しを終えて帰宅すると、大きなため息を吐いた。


 その理由は、町の状況が変わり始めたからだ。


 先月、国王が懸賞金やら捜索隊を結成させてからというもの、私を探し出そうと町ではちょっとしたお祭り騒ぎになっていたのだ。


 ネットの方もそうだ。


 ファンクラブなり、ニュースなり全て私の話題で持ちきりだった。


 ほんと、良い加減平凡で落ち着いた学生生活を送りたいものだ。


「それは無理というものですよ!?

 何せ、魔法少女というものは目立ってなんぼでーーーー」


「うるさい」


「へぶっ!!」


 いつものようにイラッとして、リザベル(本人曰く、愛称はリーザ)に拳を叩き込んだ時だった。


 制服のスカートのポケットに入れておいた携帯が振動と共に着信音が鳴り響く。

 取り出してみると、ディスプレイには知らない番号が表示されていた。

 とりあえず、通話ボタンを押して、耳元に持って行きーーーー激しく後悔した。


「ようやく見つけましたよ。お姉様」

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