253豚 ――シャーロットと三日月の守護騎士
騎士国家では平民として生きてきたシャーロットが女王と席を同じくするなど本来はありえないことなのだが――シャーロットは公爵家直系三男の専属従者という特別な肩書を持っている。
公爵家の専属従者。
それは時に重たい意味を持ち、民衆からは戦人である公爵家直系を支える凄い人、そんな風に認識されていた。
稀に主人その人よりも有名な場合があるとか、ないとか。
さて、
そんな彼らを乱れぬ姿勢で兵士達が見守っている。
しかし
「――くくっ……くははははは! 今の魔法を見ましたか陛下、あの雷……仮にも同盟国、
「ルドルフ。仮にも副団長の地位にいる貴方が、仲間をそのように揶揄することは止めた方がいいわね」
女王の隣に座り、白髪を後ろに縛る壮年の男を見つめる兵士達の表情は恐怖。
しかし、それも無理なきこと。
王室以外には一切の敬意を持たぬ、一匹狼。
「陛下……ヨハネ・マルディーニ率いる
「分かったわ、分かりましたルドルフ。貴方がヨハネに大きな不満を持っているのはよく分かりました、けれど殺気を出すのはやめなさい。可愛らしいお嬢さん達が怖がってるじゃない」
「……これは、失礼……しかし、くくっ……何故そこまで俺を恐れる…………スロウ・デニングの従者……くくっ……」
「ひ、ひえぇ……」
「くくっ…………怯えよる……スロウ・デニングの従者は愚にもつかぬ平民との噂は
騎士国家において唯一、帝国の三銃士と対等に戦える存在との評価を受ける男。
王室騎士に対しては喧嘩っ早い
そんな危険な男だけじゃなく、この国で一番偉い人。
「それで
そんな恐縮するシャーロットに向かって――女王は優しく問いかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます