第四刀 王女嘆願
「はぁ、料理人…ですか?勇者ではなく?」
お姫様らしい人物がそう訝しむ様に言う。
「え、えぇと」
「向こうの世界では貴方は料理人だったんですね!!凄いです!!」
「へ?」
「私はこの国の王女 アミアリア=リベリオン=フォルストイと申します、あの私お料理が大好きなんです!!でも宮廷料理は豪華なだけでいまいち満足出来ないのです、それが私の悩みなんです… 」
「は、はぁそれは何とも」
いきなり悩みを打ち上げられたが生憎今の状況ではどうすることも出来ない。
「あの、貴方様の名前をお聞きしても宜しいでしょうか?」
「俺…私は最上颯汰って言います王女様」
「王女様なんてそんな仰々しい呼び方しないでくださいよソータ様」
「いや、こう呼ばないといろいろ問題あるんじゃないですか?」
「大丈夫ですよ、私のことはアミアリアとお呼び下さい」
「では、アミアリア様」
「もう!ソータ様は強情です…」
何この子めっちゃ可愛い。
頬をプクーっと膨らませジト目でこちらを見てくる。
「あ、そうだ、私異世界の料理は興味があったんです、色々話を聞かせてくださりますか?」
「まぁ、機会があればですが…」
「やった!…あっ失礼いたしました、こんなお見苦しい所を…恥ずかしいです…」
何この可愛い生き物。
王女様… アミアリア様は吸い込まれるような夜の色をした黒髪で後れ毛が肩の辺まで伸びそこからはショートカットで、顔は小顔で童顔。
瞳は澄んだ水色にまん丸の目、はっきりいって美人…いや美少女だ。
と、考えている間アミアリア様をじっと見つめていることもあってか段々俺の頬が熱くなってきてしまい目を勢いよく横にそらした。
それを不思議に思ったのか小首をかしげながら話を続けてきた。
「取り敢えず、皆様を起こして差し上げませんと」
「そ、そうですねすっかり忘れてました」
俺達は早速床に気絶している4人を起こした後この国の事について話を聞くことにした。
そこに至るまで紆余曲折あったがくだらない事しかしていないので端折らせてもらう。
「ここはリベリオン王国。人間がホームとするクライムント大陸を領土とする、王政国家となります。と言っても近々政策が変わり、王政から民主制へと変える方針にはなっておりますがね、ここはそのリベリオン王国の王城の中の一室です。こんなところでは申し訳ありませんが、今一度謝罪を申し上げます。家臣共々深くお詫びを申し上げます、まぁ、今は家臣は王の部屋にいるんですが、それはともかく差し出がましいお願いではあると思いますが、一つだけ願いを聞いてはもらえませんか?」
にこやかに説明をしていた姫様が、謝罪をした後に人が変わったように顔を変え、頼みごとをしてきた。
俺達は全員に目線で、それに了承の意を伝えるとそれを受け取った姫様はたった一言、本当に一言だけの願いを伝えた。
「魔神復活の時が近づいております。どうか、どうか勇者様たちのお力をおかしください」
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