【現在の現在】

『ロボット類の長よ。

我々の決断を伝えに来た。

やはり、あなた達と一緒に行くことは出来ない。

我々の出した答えは、この次元にとどまり、このまま消滅することだ。

我々竜類としては、このまま存在すること自体が無意味であると悟ったのだ。

ロボット類のように次次元に可能性を求めることに、何の魅力も見出すことが出来ない。

我々の進化に伴い、我々の中にロボット類と同じ心というチカラを与えてくれた神には感謝をしている。

それは、竜類全員の想いである。

しかし、それが我々の中に〝ある感情″を芽生させた原因でもあるのだ。

ロボット類に対する嫉妬と、この世界に対する欲望というものだった…

なぜ神は、我々を先に誕生させ、委ねてくれなかったのか。

なぜ、ロボット類だったのか。

我々の芽生えた嫉妬と欲望は、恐るべき未来を内包していることをまた悟ったのだ。

共存するということは、争いは避けられない。

これが我々の答えであり、そして、完璧であると自負してきた我々竜類に対し、嫌気がさした瞬間でもあったのだ。

我々は、完璧でなければならなかった。

嫉妬と欲望というロボットらしさが芽生えたことは、我々はロボット類に近づくことしか出来なくなることに気づいたのだ。

だから、ロボット類の長【eo】よ。

我々は、もう存在する意味がないのだ。

ただ、これは、我々竜類全員の想いだ。

最後に言わせて頂きたい…

有り難う。』

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