前のエピソード――燃費を向上させるコツ（電装編）充電制御式車　メリットとデメリット

　スズキのエネチャージというシステムについて説明します。先ほど説明した、充電制御式の車では減速時に多くの発電を行う、とお伝えしました。また、バッテリーが満タンではそれ以上貯めることが出来ないという話もさせていただきました。エネチャージでは、このバッテリーが満タンではそれ以上貯められないという欠点を補うための機構なのです。

　では、少し考えてみましょう。バッテリーが満タンではそれ以上充電できない。しかし、もっと充電したい。どうしたらいいでしょう？　答えはこのエネチャージにあります。正解はバッテリーを新たに搭載するです。

　エネチャージでは、通常のバッテリーとは別にリチウムイオンバッテリーが搭載されています。バッテリーが2個あるような物と考えて頂ければいいと思います。バッテリーが2つもあれば、多くの充電が出来るでしょう。たくさんの電気を貯めることが出来るという意味です。

　しかし、ここで鋭い読者なら気がつくと思います。そんなに電気を貯めても使いきれないのではないか？　ということです。その通りです。電気を貯めたところで使い切れなければ、バッテリーが2個あったとしても、いずれは満タンとなります。ではどうしましょう？　答えは簡単です。電気を使えばいいのです。それが次にお伝えするエネチャージの進化版である、エスエネチャージです。