ヴァージンプリン

一色 愛

第1話く

入口


都内の日赤病院久しぶりに来ていた。


通院すら続かない、、


幼少期から何でもそうだった。

ピアノのお稽古、水泳教室、書道に英会話。

何かしら理由をつけては辞めてしまう


彩香は、指が短いから鍵盤弾くのが向いてないの

彩香は、髪が細いから、塩素に弱くて髪がゴワゴワしてきた


辞める理由はほんと、些細なことばかりだった。そんな彩香が唯一4年近く続けられたことがあった。


AV


正確には素人系AV女優だ。その頃楽しいと思えることはその撮影だけだった。4ねんといっても月に10日ほどだが、週に1回のお稽古より続けられた。


あれは一浪して大学に入学して間もない4月。

都内の三流大学だった。行きたくもなかった大学の授業はつまらなく、講義を受ける気にも無く、渋谷に出かけた。

山手線のハチ公口を出てすぐに声を掛けられた。


キミ、可愛いね。今何してるの?AVとか興味ない?


後にも先にもこんな直球のキャッチには会ったことがなかったが、ケッコウイケメン、だったきし、何しろ何のバイトもしてなかったので、興味を持った。

20代前半のチャラ男だったが、180センチある切れ長の目に中高の顔立ちのイケメンだった。そもそも性に対する興味が人一倍あった私は、

AVの知識も他の女子よりもあると自負していた。

高校に通ってた頃は、四六時中、下ネタばかり話していたものだ。さらに、ロッカーにはエロ漫画を何冊も隠しこんで、同じような仲間に貸し出していた。それが担任の金岡先生に取り上げられた時の動揺は今でも忘れない。


そんなこんなで、そのイケメンから切符をもらい、渋谷から2駅目代々木駅に降り立っていた。






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