第51話 作成意欲

 おはよー! 天気は曇り。


今日することは決まってる。それは…服をつくる! 春夏秋冬のお洋服。2週間ローテーションできるように何着も。

 あ、あとパーティ用とか戦闘用とか作業着とかも欲しいな。とにかく、今日は大量に服をつくるよ!


 でも難しいのは、服を宝級以上にできないこと。毎日着る服だよ? それが宝とかおかしいよね。高くても最高級で止めないと。


 ちなみに価値のランクは、 無価値→粗悪→不良→安価→並→高価→高級→最高級→宝→国宝→伝説 となってるよ!

 俺が作るものは、大体、宝 以上になるようにできている。ふっふふーん!


 さて、まずは布から作ろう。アーキンさんに頼んだら、材料を集められるかな? 布を作る織り機械とかミシンとかはもう作った。正確に言えば今作った。

 ミシンは俺の速さに合わせてくれるし、魔力を流し込んだら動くよ!

 


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「アーキンさん!」

「あ、アリムちゃん、いらっしゃい。今日は何を売ってくれるのかな?」

「えーっと、今日は………と、…と……とか、をこんだけ。買いたいです。」

「アリムちゃんは鍛冶屋の次は服屋になりたいのかな?」

「えへへ、ま、そんな感じです!」



 うん、まぁ。もうそれぞれ神の領域らしいけど。



「そういって、本当にできちゃうんだからね…クニックとホナードの店から連絡を受けた。すごく才能があったってな。じゃ、とってくるから待っててね」

「はーい!」


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「おまたせ」



本当によくあるよな品物。まるで準備されてたみたいだ。



「前も思ったんですけど、よく指定の物ありますね」

「安心と信頼のメディアル商人組会だからだよ」

「なるほど!」



 なんか納得してしまう…。まぁ、そりゃ青舌を100枚現金でスパッと買い取るようなとこだし。

代金は16万4千ベルもした。良いものばっかり買ったからね。



「ありがとうございましたー!」

「また、来てくれな!」



 さて、宿に帰って作業だ!作業!服を沢山作るのだ。



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 作り始めて早2時間。全て作り終えた。

 全部の服にエンチャントしたりしたけど、最高級で留められた。ふー。疲れた。では、早速、この服を着てギルドで依頼を受けましょ~!



 ギルドに入ると、今日もたくさんの人達が居た。

でも皆してこっち見ないで?



「おぉー!可愛い服だ!」

「よく似合っている!」

「何言ってる!アリムちゃんが可愛いんじゃないのさ!」



 えへへ。照れる。既にこのアイドルのような状態た慣れ始めてる俺が怖い。


 冒険者さん達から飴とかよくわかんないお菓子とか貰いながら、アギトさんのもとへ。何かいい依頼はないか聞いてみる。



「アリムちゃん、すっかり人気ものだな!」

「そうですか? ありがとうございます!あ、で何かいい依頼ってあります?」

「そうだな~、Eランクの仕事でいいかい?」



 せっかくEランクになったのだ。Eランクの仕事がしたい。



「はい! 勿論です!」

「そうか、なら丁度[アバラウサギ]というウサギの皮が欲しいという依頼があってだな。最低3枚欲しいらしい。できるか?」



 アバラウサギとは、俺が一番最初に倒した、あのウサギのことだ。



「できますとも。その依頼を受けます。」

「よし、頑張れよ。ちなみにアバラウサギの皮を一枚につき150ベル、解体済で170ベルだ!」

「はい! いってきますっ」

「いってらっしゃい!」


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 森なう。

 そして、今、俺が作った笛、「Eランクホイホイの笛」(国宝)


 これを使って、ウサギを呼び出す。俺が戦ったことがあるEランクモンスターなら種別に呼べるようにもしてあるのだ。


 笛を吹く。

 きたぞきたぞ~!

 1、2……30匹。


 大丈夫、これ。全滅したりしないよね?

 とりあえず、サクッと全部倒した。でも、皮に傷をつけたくなかったから30匹殴って倒した。手が疲れるー。


 皮剥少女アリムはものの数分で全て解体し終わった。さて、ギルドに戻ろう。


 ギルドに入ると、また別の人がお菓子くれたりする。よく皆、そんなにお菓子持ち歩いてるね。

 ま、とりあえずアギトさんに報告だ。



「え……早っ……」



 おいおい、アギトさん、なんだそれは。まだ納入物を見せてもいないじゃない。俺はマジックポーチから納入物置台に30匹分全部、皮を置く。


 あれ? アギトさん、苦笑いしてない? てか引いてない?

 むぅ~…なんでそんな顔すんのさ。



「アリムちゃん、それ30匹あるよな。」

「はい……それが?」

「うん、もうDランクだ。その規定数を満たした。」



 え、嘘だろまじで?



「え?本当ですか?」

「うん。まずはEランク30匹だろ?これだけでも凄いのに、まだアリムちゃん、依頼を受けてから20分しか経ってないからな。Dランクに上げないと。」

「わぁ!ありがとうございます!」

「いいって……ことよ。」



 冒険者ランクがDとなった。後ろの、酒場から歓声が聞こえる。



「あの娘、またランクあがったぞ!」

「ヤバイ……天才か?」

「え?登録してまだ3日だよね?」

「かわいいー!こっちおいで!」



 フッフッフッ。悪くはないぞ。黄色い歓声っ!

 俺は酒場の方に行き、その場にいる冒険者全員に向かってニッコリ笑ってピースして見せた。



「「「「かわいい!」」」



 かわいいだろ? そうだろう?

 なんせアリムは可愛いのだ。有夢はそうでもないけど。

 アギトさんも苦笑いしてる。



【称号「魅了の才」を入手しました。】



 ちょっ……。アギトさんがそんな周りの様子をよそに口を開く。



「ところで、悪いんだけどアリムちゃん。依頼主が報酬を15匹分しか用意してないんだ。残り15匹どうする?」



 えー、なにそれぇ…けど、いいよ別に。ウサギは使い道あるし。



「うー、まぁ。いいですよ。15匹、ボクが有効活用するんで、15匹、納めてくださいよっ!」

「あいよ! 悪いね。これが報酬金の2550ベルだ。」

「確かに受け取りました。」

「おう!Dランクおめでとう!これからも頑張ってくれよな!人気者!」

「むー!アギトさんまでー!」

「ははははははっ!じゃまたな。」

(うーむ、この娘には特別に人を惹きつける力があるのかもな)


 宿屋に戻ってきた。ウルトさんは相変わらずお忙しそうで。

 魅了の才を、詳しく見てみるか。



[すれ違った人が立ち止まって二度見するほどの魅力を持つ者に贈られる。この称号の持ち主はさらに魅力が増す。】



 ……。まぁ、いいか。明日からお菓子増えるかも。


 さて、今日もそろそろ1日が終わる。ご飯、お風呂。いつも通り。

 そして眠る。

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