第44話 冒険者登録

 ギルドに入ったら、少し酔った感じの男の人に声をかけられた。



「おうおう、可愛いお嬢さん、品物の受け取りと冒険者への依頼はこっちじゃないよー」

「いえ、ボクは冒険者になりに……」

「ほう! お嬢さんがかい? ガハハハハッ!頑張れよぉ~」



 酔ってるけど悪い人じゃない。悪い人だったら迎撃しようとか考えてたんだけど。

 俺はそのまま受付へ直行する。


 受付をしているのは筋肉モリモリマッチョマンだ。見た目からして強そう。

 綺麗な女の人じゃないの? 普通こういうのって。受付の人が喋り出す。



「へいっ! 可愛いお嬢ちゃんじゃないか! ギルドになんかようかい?」



 やけにテンション高いな。



「あ……えっと、冒険者になりたくって……」

「へぇ?お嬢ちゃんが?」

「はいっ」

「まぁ、ギルドには誰でも入れるがな。お嬢ちゃん犯罪歴とか……は、ないよな。年はいくつ?」

「12歳ですっ!」

「うーむ、12か……」



 あれ、あれ、どうかしたのか?



「12歳だとなにか問題が?」

「んー、まぁ、そうだな。本当は冒険者の適性年齢ってのは15歳からなんだが、それ以下の歳の場合はXランクっていって、特別なランクからなんだが……それでもいいかい?」



 うわ、まじか。そんなんあるのか。どーせあれだろ、雑用ぐらいしかできないとかだろ。



「Xランク……? すいません、ギルドのことよくわかんなくって……。でも、これしかできる仕事はないから……。詳しく、説明してくれませんかっ?」



 俺は目を潤ませ首を少しかしげ、手を口にあてる。いわゆる、ぶりっ子ポーズをした。効いてるかな?



「お、おぅ!? あ、お、お嬢ちゃんぐらい可愛い娘だったら、いろんな仕事あると思うけどな…。カフェの店員とかよ。まぁいい、知らないってんならギルドの説明するぜ。ちっとばかし長くなるがいいか?」

「はい!大丈夫です!お願いします。」



 効くのか。さぁ、どんどん説明してくれ。



「ギルドっちゅうのはな、全アナズム中共通の、どこにでもある、冒険者を扱う組織なんだ。依頼を受けて、その中から好きな依頼……あぁ、そこの掲示板か、受付から選ぶんだが、ま、とにかく依頼を冒険者達にやってもらうんだ。そして、冒険者は依頼人から依頼料を受け取る。まぁ、提示額の一割をギルドももらうからな。依頼人は一割多く払うんだが。あ、ちなみに冒険者も依頼はすることができるからな?でも受付は隣の店でやってくれよ。あ、依頼をクエストっていう奴もいるぞ。ちがいはないがな。ひとまず、ここまではいいな?」

「はい」

「よし、じゃあ次な。依頼の種類は大きく分けて3つ、討伐、採取、その他だ。討伐は指定の場所で指定の魔物を倒す依頼だ。討伐部位を納めて依頼クリアになる。ちなみに倒した魔物はその冒険者のものだぞ。採取は指定された物や魔物の部位を採取指定持ってくる依頼だ。まぁ、討伐よりこっちがメインだな。最後にその他。商人の一時的な護衛や、底ランク向けに掃除とかもあるぜ」



 お、討伐した魔物もらえるのか。それは良いことだな。儲かる。



「パーティについて。パーティってのは冒険者が2人以上で組むもんのこったな。まぁ、その分依頼が簡単になったり、逆にパーティでないと受けられない依頼とかもあるぜ。パーティは何人でもOKだ。ちなみに、100人とか超えてるパーティや経済力的に協力なパーティもあるんだが、そういうのは"チーム"っていう。チームは結構、権利持ってるぞ。ついてこれてるか?」

「大丈夫です!」

「そうか。じゃ、ランクについての説明だ。ランクはF~SSSまであるぜ。パーティにもパーティランクとしてE~SSSまである。ランクを上げるにはクエストを沢山受けたり、ランクが上の方の魔核を沢山持ってきたり、コロシアムで入賞して上がったり、他にも上がる方法が結構あるな。

依頼はその、自分のランク以上のクエストは受けることはできねぇ。パーティだと自分のパーティランクと同じランクの依頼を受けれるがな。…と言っても大体Cランクもありゃ、十分だぜ。他にもランクの恩恵はある。国が運営しているダンジョンにもランク規制があったり、武器屋の中には割引してくれるとこもあるし。Xランクってのは15歳以下の適性年齢以下の子供が冒険者になった時の仮のランクだ。昇段試験をクリアすればFランクとなる。まぁ、その試験、正直Dランクになるより珍しくて、一年に何人もXランクからFランクになる子供はいねぇな。その数人も何回も挑戦してやっと……ってやつがほとんだわ。Xランクは屋敷の掃除とか見たいな、本当に簡単なもんしかできねぇ。ま、子供だししゃあないわな。あ、魔核によるランクアップはセコができないようになってるからな。ランクについてはいいな?」

「過去に取った魔核とかは大丈夫なんですか?」

「ん?その魔核が提出した本人が入手したものだったらたとえ100年前のもんでも大丈夫だぞ。どういう原理かはわかんないけど。じゃ、次で最後な。」

「お願いします」

「ここのことだ。ここは酒場が一緒にやってるギルドだ。王都には他にもカフェが一緒になったギルドもあるぜ。あぁ、あと、泊まる場所が見つからないんだったら言えよ?ギルドには簡易宿泊施設があるからな。一晩50ベルだ。あと魔核の買取も行っている。あ、ちなみに魔核以外の魔物の部位はそれ専門の店とか商人組会に行けよ?あと、ギルドカード。これは冒険者全員に渡される。身分証にもなるからな。そう簡単になくすなよ?再発行はできるけど。ランクが変わったらカードのランクも変わるし、依頼相手に自分のスキルを見せたかったら自分のギルドカード触れさせれば見せたいスキルだけ見せられる。説明はここまで。」



よくこんなに説明してくれたな。ありがとう。



「ありがとうございます!」

「じゃ、早速冒険者として登録するかい?」

「はい!」

「名前は? お嬢ちゃん」

「アリムっていいます」

「アリムちゃん…ね……っと。あ、あとセカンドネームは?」

「え?」



 名字なんかいるのか。でも俺のステータスにはそんなの書いてなかった。

 適当に決めていいよね。俺の地球に居た時の名字は"#成上__じょうじょう__#"…。訓読みすると、なりうえ…。

 ナリウェ……。ナリウェイ。そうだ。ナリウェイにしよう。



「ボクの名前は"アリム・ナリウェイ"です。」

「ナリウェイ……ね。できたぜ。ギルドカードだ。



 俺は灰色のギルドカードを渡された。



「ありがとうございますっ!!」



 こうして俺は冒険者となれた。

 あ、性別が女のまま登録しちゃったんだ………まぁ、いっか。

 うん。周りからチヤホヤされるしね

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