第31話 皿洗いのお手伝い
~ルインさんとの練習開始2時間後~
「アリムちゃん、筋がかなり良いね! すぐに僕を追い抜かしちゃうんじゃないかな?」
ど素人のように振る舞うのは中々大変だった。
気持ちはありがたいんだけどさ。まあ、お礼を述べておこう。
「えへへへへ……ありがとうございます。そうなるように頑張りますよっ!」
一緒にやっててわかったんだけど、彼は大体、剣の道レベル1と言ったところ。
すでに追い抜かしてることは口が裂けても言えない。
「うん! 頑張ってね!」
そう、ルインさんは笑顔で答えた。うぅ…心が痛むぅ。
「あ、ルイン、アリムちゃん、こんなところにいたの。お昼、できたわよー」
あ、もうお昼時だったか。リロさんわざわざありがとう。
「あぁ、今いくよ! じゃ、アリムちゃん剣の練習はここまで。お昼食べにいこうか」
「はい!」
俺たちは村長の家へもどる。テーブルにはお昼ご飯が並べられていた。今日のメニューも美味しそうだ。
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「ふぅ…ごちそうさま。美味かったぜ」
オルゴさんの言うとうり、美味しいかった。細かな味がわかるようになったから、塩が足りないとか多いとかそういうのは多少あったけど、確かに美味しかった。
美少女二人が作ったってのも大きなポイント。
「じゃ、私お皿洗うわね!」
そう言い、リロさんは台所に消えていく。
「リロさんったら、私がやるって言ってるのにやってくれて……。良い娘ねぇ……」
ガーベラさんが呟く。確かに、食べさせてもらってるしな、なんか手伝いするかな? 皿洗い手伝うか、リロさんとゆっくり話ができるかもしれん。
「リロさん! ボク、お皿洗い手伝います!」
そう言ってみた。
「え? いいのー? じゃ、頼んじゃおーかなーっ!」
そう、台所の奥からリロさんの返事が聞こえる。
ガーベラさんは
「あら~、アリムちゃんもいい娘ねぇ…。うちの娘はいつもいつも手伝いなんかせずに、魔法の練習ばっかりしてたのに……」
とまた呟いている。
俺は、地球にいた時に一番最近の夏休み、バイトで皿洗いばっかりやっていた。何故か偶然に皿洗いのバイトばっかり入っちゃったのだ。
台所に入り、リロさんにすることを聞く。
「じゃ~ね、アリムちゃんには洗ったお皿拭くの手伝ってもらおうかな?」
いや、俺は皿を洗いたい。皿洗いをしたい気分なのだ。
「ボク、皿洗いたいですが!」
「え? アリム君、大丈夫なの?」
「ボク、もう12歳らしいですから大丈夫です!」
「そうだったの? ん? まぁ、そう言われればそのぐらいかな? 身長とかが。アリムちゃん、とっても可愛い顔してるから後2歳くらい下だと思ってた~! ごめんねー?」
「むぅ~…いいですよっ。ところで、リロさん達はいくつぐらいなんですか?」
「私達? いくつに見える?」
「そうですね…。17~18歳位ですか? オルゴさんも」
「そうよ、あったり~! 私達4人とも18で、同い年なの! オルゴも……」
リロさんとそんなこと話してる間にも俺の手はテキパキと皿を洗っていく。それを見たリロさんは
「すごい、早い。綺麗!」
なんて言っていた。俺は皿を洗いつつ、他の話もリロさんとしてみる。
「ねぇ、リロさん。ルインさん、オルゴさんは剣で戦うんですよね? ミュリさんは回復で…リロさんは魔法ですか?」
「え? うん、そうよ! 私は魔法を使うよ!」
「どんな魔法使うんですか?」
「えーっと、ウインドとフレイムが中心かな」
「ウインドとフレイムですか」
「そう! これでも一応、どっちもエミッションまで撃てるんだからね あ、エミッションってのは「~の道」っていうスキルで覚えられるんだよ?」
ホウホウ、エミッションを2つですか。中々ですな。あ、皿洗い終わった。
「あ、お皿洗い終わりました!」
「うわー! アリムちゃん、本当にはやーい!」
だてに夏休み中皿洗いしてたわけじゃないからな。
「お話、楽しかったです!ボク、村まわってきますね!」
「はーい、いってらっしゃい」
俺はそう言い、村長の家からでた。でも、そのあとはとくにやることもなく、暇だったので村の子供達に竹とんぼを作ってあげた。
もう、創作王のおかげで作り方を知らないはずなのに一瞬で完成させてしまったりした。
子供達は
「スキル無しでとんでるだとっ!? すごい!」
「アリムちゃん、器用なんだねーっ!」
「アリムちゃん、かわいいっ!!」
など口々に言って、はしゃいでる。こういうのも、全くもって悪い気はしないね。
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夜になり、夕飯を食べる。今日は何かの肉のソテーだった。この肉はこの村で飼ってる家畜の肉だそうだ。家畜もちゃんといるんだね。
食べ終わって、お風呂入らせてもらって、この日は眠りについた
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