第18話 灰色の犬、禍々しい城門

 2時間くらい寝たかな?

 太陽の高さから言って、まだ昼ちょい過ぎ。


 ………ドラゴンの肉を食べてみたいと思う。ただ、これ、枝に刺して焼くってのは考えらんないんだよねー。

 そんな "粗末にしてはいけない" みたいな雰囲気をかもしだしている。

 まぁ、見た目、ステーキ肉だし……。そんな風にカットしたの俺だけど。これは、石焼がいいんじゃないだろうか? そうだ、そうしよう。


 近くにあったこの肉よりも少し大きいくらいの平な石を、フレイムボールLv5で熱する! 熱くなれ~熱くなれ~もっと! もっとだ!

 てな感じで、熱する。これに~っ!肉を~っ!のせますっ!えいっ!


 ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!


 あ~、これはヤバい。しばらくしてから、もう片面焼くために肉を裏返す。

 素晴らしい焼き色だ。美味しそうすぎる………。



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 完成! 小ドラゴンのステーキ。そこらへんの葉っぱ数枚を洗い、熱くないように肉をくるんで

そのまま、手づかみで、ガブウゥゥゥ!



「うっまーーー!!」



 うまい、うますぎる。思わず叫んでしまう。まず、油がすごい。

 油…たしかに、油なのだが、程よくこってり、程よくサッパリ!

 なにも調味料かけてないのに、味わい深い!

 かなりの大きさのステーキだったけど、ペロリと食べてしまった。

 小ドラゴンは、見つけ次第、狩る以外ありえない!


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 お腹がいっぱいになったところで、またダンジョンにもぐるよ!


 今、MPは300ある。しかもWも上がっている。ゆえに、サンダーエミッションLv2を1発(消費MP14)で今までの魔物は倒せる。

 だから、今回は20匹葬る!


 ダンジョンにて。

 俺は宝箱ルートの魔物も回収しつつ、まずは合計5匹の魔物を倒す。前回の到達地点から、さらに進むと、大犬が2匹同時に出現した。

 なんてことはない。なんせ一撃で倒せるのだ。

 さらに進むと、毛玉同時2匹、さらにその先に小ドラゴン同時2匹出てきた。余裕余裕。


 ちなみに、魔核と肉と犬の皮しか採取してない。本当にそろそろ袋が欲しい。


 さらにその先に進むと、今度は大犬、毛玉、小ドラゴンが3匹いっぺんに来た。無論葬り去った。ここまでで合計14匹。まだ進めるみたい。



_______そして、その進んだ先がダンジョンの末だった。


 目の前に、かなりの大きさの城門のようなものがある。さらに、目の前には門を守るようにして、1匹の綺麗な灰色をした毛の長い犬が立っている。


 その犬は今までの奴とは気配が違う。

 ……………強い。



 けれども、そいつはまだいい。その門の奥からの凄まじいオーラ。


 ……門の奥にダンジョンのボスが居ることは明らか。でも、まだまだボスに挑戦する気はないもんね。

 最低60Lvは超えた時に挑戦しよう。


 この目の前の灰色で毛が長い犬。略して毛長犬には、経験値の肥やしになってもらうよ!


 毛長犬に牽制としてフレイムボールを撃つ。

 …難なく回避しやがった。早いなー、動きが。


 毛長犬は俺の目の前にひらりと移動し、爪で攻撃してきた。3日ぶりにまともなダメージを受けました!


 俺は距離を取り、ウォーターエミッションを放つ。ヒットはしたけど、怯みはせず、倒れる様子もなかった。

 うーん、やっぱり大犬みたいにはいかないか?


 相手が口を開くと魔法陣が発動する。こいつ、エミッションを撃つつもりか!


 すかさずウォーターエミッションを唱え、相手の"ウインドエミッション"の発動に合わせぶつける。うまく相殺できたみたい。


 それにしても、まさかエミッションを使うなんて、驚いた。

 グヌヌゥ……一筋縄ではいかない…か。強いなぁ。


 相手が突進しようとしてきたので、ウォーターエミッションをもう一回撃つ、ヒットはした。だけど、毛を濡らして多少のダメージを与えただけだ。

 しかも、そのままの勢いを奴は止めず、噛みつかれてしまった。

 痛たぁ………。実力は同じ位ってことね。


 うーん、どうしよう? 

 あ、そうだ。アレを使おう。



「シャボン」



 そう、唱える。

 指定する数は13回分。MP13、でてくるシャボン玉の数は169個。目くらましに使う!


 魔法陣を毛長犬の目の前に設定。発射!毛長犬は一瞬、魔法陣に警戒する。


 そこから出てきたのはシャボン玉!

 毛長犬はその一個拳サイズのシャボン玉が大量に魔法陣から放たれているのに、気をとられる。

 その瞬間! 俺はその瞬間を狙っていた!



「ウォーターエミッション!」



 その一撃を、"全身の毛を濡らすように"浴びせる! 毛が水を吸って重くなるハズだから。


 不意の1発に毛長犬は驚く。俺はその間にももう1発用意している。

 再度、ウォーターエミッションを放つ。その毛長犬を全身びしょ濡れにするために。


 計画通り、先程よりも明らかに、毛長犬の動きが悪い。

 これだったら、相手の攻撃も軽く回避できるし、魔法を当てやすくなっただろうね。しかもだ、ウォーターエミッションしか今まで使わなかったのはもう1つ、目的があるんだ!


 電気を通りやすくする!

今、あいつは全身に水を含んでる状態。

 そこに、



「サンダーエミッション!」




こいつをお見舞いする!


 奴は動きが鈍くなっているので、回避がしにくそう。

 サンダーエミッションが当たった刹那、全身に電流が流れる!

 

 ………うーん、これでも倒れないの?


 それでも、すでに毛長犬はフラフラ。

 俺はサンダーエミッションをもう1発撃つ。



_______ドサッ



 ………やっと倒れたか。強かったー。


 毛長犬からは青色の魔核が出てきた。やっぱり、大犬とか毛玉とは格が違ったかぁ。

でも、こいつ、どこを採るべきかわからない。

一応、灰色の毛皮は取っておこう。


 …ん?顎下の毛、これ銀色じゃないか?

 輝いてる。これの銀色の部分は根こそぎ取っておこう。


 ステータスを確認すると、今回で11450の経験値を得て、レベルが33になっていた。

 あー、髪長犬の前にステータス確認しときゃよかった………。


 なるほど、あの毛長犬の経験値が多かったとみた。次の周回から狩らなくちゃね。






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髪長犬の経験値


天然物→2200

ダンジョン→3200


素早さ、HP、魔力が上昇しています。

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